2016.10.17 |
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服装戦略 |
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ケリー・マクゴニガル氏の心に響く言葉より…
スタンフォード大学で教え始めて2〜3年経った頃、「講師の服装が学生に及ぼす影響」をテーマにした研究に触れる機会がありました。
驚いたことにその研究で、講師の服装がきちんとしていればいるほど、学生たちは熱心に学ぶということが分かったのです。
私は驚愕しました!
ほかの研究でも、きちんとした格好で授業をする講師は、「有能で熱心だ」と学生に評価され、学習に良い影響を与えることが分かりました。
この研究で、目が覚めました。
スタンフォード大学の講師が、ラフな服装で教壇に立つのはとても当たり前のことです。
スーツを着ている人はほとんどいません。
ジーンズにスニーカー姿の講師も珍しくないのです。
私のティーチングメンター(講義に当たり助言・指導してくれる人)で、最も尊敬する教員の1人でもある先生がいるのですが、その人の心理学の授業は学生の間で人気を博していました。
その先生がこの学部で例外的な存在であることに気づいたのです。
彼は講義の時、いつもスーツジャケットを着ていました。
彼の服装も、講義の人気の一因だったのでしょうか?
服装は、自分自身に対する気持ちを変えるだけでなく、仕事の成果を変えることもできるのです。
米ノースウエスタン大学の心理学者たちは、この効果を「装いの認知力」と名づけました。
服装が「自分の役割を果たすための能力」を最大限に引き出す手助けとなることを発見したのです。
例えば、注意力が必要とされる仕事をする時は、白衣(医師や科学者の象徴)を身に着けた方が、いい仕事をします。
「自分はこうなりたい」と思う特徴と、服やアクセサリーを結びつけると、実際にその特徴を表現したり、仕事の質を高めるのに一役買ってくれます。
講義を準備する時、私は少なくとも1度は、リスクを取るように心がけています。
例えば、学生を教壇に上げて、研究を実証することもあります。
時には心理学的法則を説明するために、人気のテレビ番組のビデオを見せ、学生を驚かせたり、喜ばせたりすることもあります。
講義に当たり洋服を選ぶ時や、公の場で講演する時、この“同じ法則”に従がうようにしています。
少なくとも1つのリスクを冒して、自分を楽しませることができないだろうか、と考えるのです。
こうした心構えでいられるよう、ネックレスやブレスレットをいくつも持っています。
『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』日経BP
服装戦略で大事なことは、2つ。
1つは、「学生はきちんとした服装の教授を『有能だ』と評価する」。
2つは、「専門性」を象徴する“制服”のような服装を身につけることを考えるといいい。
「人は見た目が9割」と言われる。
アメリカの心理学者であるメラビアンによれば、見た目にとって大切なのは、表情が6割、話し方が3割、話す内容が1割、と言われる。
好印象を与える表情とは、言うまでもなく、にこやかな笑顔のこと。
専門性を象徴する服装とは、僧侶、神主、巫女、駅員、警察官、自衛官、ホテルマン、シェフ等々の服装。
服装戦略はとても大事だ。 |
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