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2016.10.14

忘れて、ふざけて、馴れる

佐藤愛子氏の心に響く言葉より…

神さまは私たち人間に「忘れる」と「馴(なれ)れる」という有難い能力を与えて下さった。

神は私にさまざまな試練を課されたが、その代わりに人一倍多い、「忘れる、馴れる」の能力を授けられた。

私が数々の試練に耐えてこられたのは、そのお蔭である。

私はそう考えて神に感謝しているのだ。

友達は「そんなのただのノーテンキってことじゃないの」というけれど。

そうだ、「ふざける」ことも、もしかしたら神様が「おまけ」として与えて下さった才能かもしれない。

忘れて、ふざけて、馴れる…。

「なるほど、それが生きるテクニックですか」

テクニックだなんて、そんな生やさしいものではない。

それは力だ。

元気を出す源泉である。

人生が苛酷であればあるほど、それは増幅される。

それを私は身をもって知ったのである。

《まだ生きている》

『人間の煩悩 (幻冬舎新書)』幻冬舎


「忘却はよりよき前進を生む」(ニーチェ)

何度失敗しても、また再び挑戦できる人は、忘却力を持っている。

いつまでも失敗を引きずらない、忘却力のある人だ。

「人間が馴れることのできぬ環境というものはない。ことに周囲の者がみな自分と同じように暮らしているのが分かっている場合はなおさらである」(トルストイ)

人生には環境やステージが大きく変わる転機がいくつかある。

学校の入学、転校、就職、退職、結婚、離婚…。

しかし、どんなに環境が変わろうと、いつかはその状況には馴れる。

「ふざける」とは、子どもが遊び、騒ぐことであり、大人が冗談を言ったり、おどけたりすることでもある。

人をバカにすることではない。

大人が、少し羽目を外してバカになり、ふざけて面白がったり、楽しんだりするのは、時に、とてもいいものだ。

場が和やかになり、みんな笑顔になる。

しかし、ふざけすぎはいけない。

場は白けるし、ひどい場合には怒りだす人も出てくる。

忘れて、ふざけて、馴れる、という資質は、人生をたくましく生き抜くための神さまからのギフト。



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