2016.9.11 |
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今あるものに感謝する |
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秩父札所十三番慈眼寺、南泉和尚の心に響く言葉より…
京都・龍安寺のつくばいにある「吾唯足知(われただ足るを知る)」の4文字はとても有名です。
これはお釈迦様の説いた教えを図案化したものだと言われています。
4文字の意味を今あるもので我慢すると受け取る人もいるようですが、私は、今、あるものに感謝をするというようにとらえています。
反対にあるものに満足できない人は、不知足な人ということになります。
「足る」と思うか思わないかはとらえ方一つです。
同じものでも、「これしかない」と感じるか、「これだけある」と感じるかです。
それによって気持ちの持ちようは大きく異なります。
2012年アメリカで作られた、『happy? しあわせを探すあなたへ』というドキュメンタリー映画があります。
世界5大陸、16ヶ国を訪れ、心理学者や脳医学者とともに、「幸せになる方程式」を探っていくという内容ですが、とても興味深い発見がいくつもありました。
たとえば、映画の最初にインド・コルカタの貧民街に住む人力車ドライバーの男性が登場します。
雨漏りする住まいでも、彼は幸せだと話します。
「雨が降るとびしょびしょになるけれど、晴れると星が見える。家族がいれば僕は幸せ」と笑います。
映画の中では、このドライバーは大半のアメリカ人と同じくらいの幸福感を抱いていると紹介されていました。
つまり、ものの豊かさでは幸せの度合いは測れないのです。
同じ物でも、「これだけある」と思えば人に分けてあげることができますが、「これしかない」と思えば、人に分け与えることができません。
どちらの考え方が幸せを感じられるでしょうか。
どう受け取るかを決めるのは、あなた自身です。
『日常の中で悟りをひらく10の徳目 (ディスカヴァー携書)』
「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」
という相田みつをさんの詩がある。
足るを知る人は、わけ合うことができるが、もっともっとと際限なく求め続ける人は決して満足することはない。
一つ手に入れても、別の何かが欲しくなり、それが嵩(こう)じると奪い合うようになる。
本当の幸せは、ないことを嘆くのではなく、今どれだけ恵まれているのかに気づき感謝すること。
今ある幸せに気づくこと。
「今あるものに感謝する」
足るを知る人でありたい。 |
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