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2016.9.1

議論に勝っても恨みを買うだけ


西沢泰生氏の心に響く言葉より…

《俺は議論はしない。 議論に勝っても、人の生き方は変えられぬ。》(坂本龍馬・幕末の志士)

よく、「言った、言わない」で言い争いになることがあります。

待ち合わせをしていて、「1時に変更って言ったろう!」「いや、1時半だとしか聞いてない」という議論ですね。

これでもし、伝えたほうが「ほら見ろ、このメール」って証拠を示しても、もう片方は不愉快なまま。

それより、「もっとちゃんと伝えればよかった、ごめんごめん」と言えば、「いや、こっちこそ、もっとメールに注意していればよかった」と丸くおさまります。

作家の向谷匡史(むかいだにただし)さんは、予約したレストランに奥様と出かけていくと、お店のマネージャーから「失礼ですが、予約リストにお名前が見あたらないようですが」との言葉。

向谷さんが「おかしいな、電話したんだが」と言うと、このマネージャー、間髪を入れずに、丁寧に頭を下げてこう言ってきたのだそうです。

「それは誠に申しわけございませんでした。私どもの手違いかと存じます。いますぐテーブルをご用意させていただきますので、少々お待ちいただけますか?」

あとからわかったのですが、実は予約はしていなかったそうです。

向谷さんと奥様が、お互いにお互いが予約を入れたと思っていたというミス。

結果としては、100パーセント向谷さんの過失でした。

しかし、「どっちが正しいか」を追求することなく、自分たちのミスとして丁寧な対応をしたこのお店は、上等な常連客を獲得することができたというわけです。

坂本龍馬は、この名言のように、議論で相手を負かすことには何の意味もないと言っています。

これ、たとえ相手のほうが100パーセント間違っていてもです。

相手の間違いを指摘して、言い負かしても、相手は考えを改めることはなく、ヘタに恨みを買うだけ。

だったら、議論なんかしないで、相手に花を持たせておけばよいというわけですね。

『1分で心に効く50の名言とストーリー』大和書房


「正しいか正しくないかではなく、楽しいか楽しくないか」で判断する、という言葉がある。

ワクワクするかどうか、気持ちがいいかどうか、ほっこりするかどうか、という基準だ。

正しさを追求する人は、自分の正当性や道理にかなっていることを主張する「オレが、オレが」の人になりやすい。

「ゆるし」や「あそび」や「余裕」のない人だ。

議論で言い負かしても、かえって相手はそれを根に持つだけ。

だからこそ、一歩下がって、「負ける」修行をする。

ときに、「負ける」ことも必要だ。


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