2016.6.27 |
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「ありがとう」は一日に何回でも |
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リチャード・テンプラー氏の心に響く言葉より…
人は「忙しすぎて」「ついうっかり」などと言い訳したり、「前に言ったことだからいちいち口に出さなくても察してほしい」と平気で開き直ることがある。
「お願いします」「ありがとう」が忘れ去られる場面はけっこうあるのだ。
これはひとえに旧来の悪しきマナーがなせるわざにほかならない。
基本的な人間としての品位や礼儀すらおろそかにしだしたら、私たち一人ひとりの存在意義がまったくなくなってしまう。
「ありがとう」も「お願いします」も言えないくらい礼儀知らずになったら、それこそ人間もうおしまいだ。
日に何回メモを渡されようが関係ない…そのたびに必ず「ありがとう」のひと言を。
日に何回も同じことを頼もうが関係ない…そのたびに必ず「お願いします」の気持ちで。
誰かが自分のために何かをしてくれたときも、それがどんなに日常茶飯の退屈なだけでたいしたことのない雑用だろと、「ありがとう」の言葉を絶対欠かしてはならない。
一回でも言い忘れたら最後、「感じの悪い無礼者」の烙印を押されてしまう。
人の気分を害さないためにも、「お願いします」と「ありがとう」は欠かさずに。
昔の同僚に、深夜勤務、休日出勤、残業ばかりか、書類を自宅に持ち帰って休日返上で週末も働くなど、人一倍仕事に精を出す部下が自然と集まる管理職がいた。
そこで彼の一挙手一投息に注目し、自分たちの行動との違いを探ったところ、それが部下の忠誠心の獲得にあることがわかった。
ここまで来れば、私が言うまでもなく、もうお気づきだろう。
そう、彼は「お願いします」と「ありがとう」の気持ちを忘れなかった。
心のこもった「ありがとう」は、まさに絶大な威力を発揮するのである。
ほめ言葉をもらったときに自分をけなさないようにする、というのもお勧めだ。
「よくやった」とほめられたとたん、顔を赤らめて「いや、それほどでも」と口ごもるのはやめること。
それでは、せっかくのほめ言葉が台無しになる。
そんな場合はむしろ「ありがとう」と言ったほうがいい。
『なぜか出世する人の「仕事のルール」―「できる人」より、「ふさわしい人」になれ。』ダイヤモンド社
何かをしてもらったとき、いちいち「ありがとう」というのはわざとらしい。
ちょっと会釈するくらいでいいのでは、という人がいる。
小林正観さんは、それについてこう語っている。
「心の中で思う力(想念)よりも、『口に出した言葉の力』のほうが、はるかに大きなエネルギーを持っています。
ですから、『よき仲間』を増やすには、心の中はどんな状態であれ、『ありがとう』と『口に出して言ったほうがいい』と思います」
例えば、「かけそば」を食べたいと思ってお蕎麦屋さんに入ったのに、つい「カレー南蛮」と言ってしまったら、カレー南蛮が出てくる。
どんなに強く心の中で思っていても、言葉に出したものが出てくるのだ。
これは、心の中で、「コンチクショウ」「大っ嫌いだ」と思っていても、口で「ありがとう」と言えば「ありがとう」の気持ちが伝わるのと同じだという。
だから、会釈でなくて、「ありがとう」と言葉に出したほうがいい。
「ありがとう」と「お願いします」を一日に何回も言いたい。 |
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