2016.6.7 |
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あとからくる者たちのために |
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鍵山秀三郎氏の心に響く言葉より…
人間というのは、自分が好むと好まざるとにかかわらず、1年ごとに自分よりあとに生まれた人のほうが多くなります。
私はあと50日ほどで72歳になるんです。
だからいま、日本中はもちろんのこと、世界にも、私より先に生まれた人は少なくて、私よりあとに生まれた人のほうが圧倒的に多いわけです。
そういうことを考えますと、人間はどのようにして生きたらいいかと思うようになります。
愛媛県松山市の砥部町というところに、坂村真民先生という方がいらっしゃいます。
この方は1万7千もの詩をつくっておられるのですけれども、その中に、「あとからくる者のために」という題の詩があります。
あとからくる者のために
苦労をするのだ
我慢をするのだ
田を耕し
種を用意しておくのだ
あとからくる者のために
しんみんよお前は
詩を書いておくのだ
あとからくる者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ
あああとからくる者のために
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みな夫々(それぞれ)自分で出来る何かをしてゆくのだ
このように、自分のあとに生まれてくる人たちのために、自分には何ができるのかと考えることは、とても大切なことだと私は思っています。
だから、いつもこのことを考えながら行動をし、毎日の暮らしをし、生きていただきたいと思うんです。
何も考えずに、ただ年々、年だけ取っていくという生き方をしていると、無駄(むだ)な人生を送ることになってしまいます。
『あとからくる君たちへ伝えたいこと』致知出版社
あとからくる者たちに残せるものとして、自分としては何があるのかを考えるのは大事なことだ。
それは、仕事だったり、よき習慣だったり、よき思想だったり、よき生きざまだったりする。
反対に、悪いイメージや悪影響しか残せない人もいるかもしれない。
芸術家は作品として。
経営者は会社として。
先生は生徒の心に。
母親や父親は子どもの魂に。
そして、山や川や海や町や村や自分のまわりをきれいにする。
ありとあらゆる立場の人が、それぞれの立場で自分のベストを尽くし、その種をまく。
あとからくる者たちのために何かを残したい。 |
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