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2016.5.16

ばかばかしいことを面白がる

樺旦純氏の心に響く言葉より…

アイデアは、思いついたときに書き取らなければ消え去ってしまう。

いや、アイデアに限らない。

物みなすべて、メモがとられていないものは、存在しないも同然といえる。

こんな話がある。

メモ魔と呼ばれる部長が、ある日たまたまメモ帳を忘れてきてしまった。

そこで会社の机の上にあった紙切れに、大事なことをメモしておいたのである。

そして、それを帰るときにポケットにしまい、家でメモ帳に書き写そうとすると、たいていどうでもいいことばかりで、大事なことはほとんどなかったという。

「どうでもいいことばかり」だったのだから、普段、いかにばかばかしいことまで書いていたかがわかる。

もちろん、別に決心したわけではないが、この日から徐々に部長のメモ事項は少なくなっていった。

大事と小事の判断をし、大事なことだけをメモするようになっていったからである。

しかし、その頃から、部長の発想に精彩がなくなってきた。

たとえば、以前は会議では屈託なく陽気に発言し、沈黙しているときは出席者の様子までメモしているような愉快なオジサンだった。

話題がなくなりかけても、目の前にあるメモ帳にはいろいろなことが記されているので、「いやあ、実に面白い話がありましてね」と、すぐに座を盛り上げられる。

ところが、「大事なこと」しか書かなくなったメモ帳に載っているのは、スケジュールであり、集合場所であり、連絡先である。

こうなると、官僚的な顔つきになってくる。

ミスしたり、へまをしたりということはない、というタイプの人間になってきたのだ。

こういう変化は、周囲も敏感に感じとるもので、「この頃、部長はなんだかムッツリしているな」「初老期うつ病じゃないかしら」と噂するようになった。

そのことをある人が彼に忠告したらしく、その後、彼はメモの重要性に気づき、再び、もとのような発想の豊かな人に戻ったが、しみじみとこう言うのである。

「理性的な判断ではばかばかしいようなことでも、メモをしておくと、一週間後には、他との連想で意味をもってくることが多いんですね」

あなたも、毎日とはいわないが、周囲に一度くらいは、自分のメモをながめると、意外な「ひらめき」を得られるかもしれない。

『逆発想の心理術―眠った脳を活性化させる61の法則 (にちぶん文庫)』日本文芸社


好奇心が旺盛(おうせい)な人は、知らないことや、珍しいことなど、自分の専門外のことにでも興味や関心を抱く。

反対に、好奇心のない人、無関心で無感動な人は、自分に関係する必要なことにしか興味を抱かない。

まさに、メモ魔の人も同じで、好奇心旺盛な人は、役に立とうが立つまいが、ムダになろうがなるまいが、雑多なことに興味関心を抱き、メモをする。

ムダなことや、とうてい役に立ちそうもないことを面白がる人は、引き出しが多くて、向学心にあふれ、魅力がある人が多い。

損得や、効率で動いていないからだ。

好奇心のある人は、人生を楽しそうに、ポジティブに生きている。

そして、好奇心のあるなしは、年齢に関係ない。

ムダなことやばかばかしいことを面白がる人でありたい。



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