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2016.5.2

年上の義務

マンガ家、山田玲司氏の心に響く言葉より…

僕は「人生の成功者」と誰もが認める様々な人に会って話を聞き、漫画にするという連載を10年ほどしてきた。

それは、週刊ヤングサンデーに掲載された『絶望に効くクスリ』という連載で、出会った人の多くが僕より年上であり、心から尊敬させてくれる人たちだった。

彼らには「いくつかの共通点」があった。

そのひとつが、「偉ぶらず、年下の人間をバカにしない」ということだった。

機嫌よく話をしてくれて、こっちが話しやすい「寛容な空気」を作ってくれるのだ。

なので、こっちもつい普段あまり人に言えないような「本当のこと」を話してしまう。

おかげで初対面にもかかわらず、お互いに深い理解を得られることが多かった。

この国にも尊敬できる態度(生き方)で、年下の人間にちゃんと「尊敬させてくれる大人」がいるのだと気づかされる体験だった。

もしも年下の人間にバカにされたり、無視されたくなかったら、年上にも年下に対する「しかるべき義務」があるはずだ。

そんなことを考え始めた僕は、「年上の義務とは何か」について、いくつかの結論に達した。

その中心になるのがこの3つだ。

「愚痴らない」

「威張らない」

「ご機嫌でいる」

人間は必ず「年上」になる。

そのときに備え、年上の義務について真剣に考えなければ、「不幸な人生」にまっしぐらだ。

残念なことにこの国の多くの人が、年上として尊重されていないだけでなく、いないものとして無視されている。

あなたは「相手にされない年上」になっていないだろうか?

朝会って最初に「おはよう、今日も可愛いね!」と言える人と、「おはよう、また太った?」と言う人とでは、人生は(人間関係は)大きく違ってくる。

無防備に思ったことを何でも口にする人がいるが、あまりにも想像力が欠落している。

言葉が通じるということは、何らかの感情を相手に与えてしまう、ということへの理解が欠けてしまっているのだ。

気分が良くなる言葉や、興味を引く情報、考え方に変化を起こすきっかけを与えてくれるような言葉は、ただの言葉ではなく、もはや「素敵なギフト」だ。

反対に、気分が悪くなるような言葉や、どうでもいい話、どこかで聞いたような底の浅い説教などは害をもたらすものだ。

「最近また太った?」などと、女の人に平気で言っているような人は、たいてい相手にされなくなる。

特に相手が年下である場合は、そんなことを言っている時点で、その人は「終わり」である。

言われた相手が、その場では(表面的に)笑っていても、人によっては、その言葉そのものが暴力になることも多いのだ。

本人はちょっとしたジョークのつもりか、あるいはわざと目立つことを言って注目を集めようとする小学生みたいな気分で言っているのだろうが、そんな幼稚な言動は大人には許されない。

相手が立場的に「嫌」と言えなくて、仕方なく我慢している場合がほとんどだからだ。

『年上の義務 (光文社新書)』


威張ったり、偉そうにしている人は、本当は、自分に自信がなかったり、劣等感がある人が多い。

本物の一流の人物は、謙虚で偉ぶらないし、年下からも学ぶ姿勢がある。

自慢話を自分より年上の人や、自分より成功している人にする人はまずいない。

つまり、自慢話は、下に見ている人にする。

その卑しい心がすけて見えるから見苦しいのだ。

いつも機嫌のいい人は、まわりを元気にし、明るくする。

愚痴は言わず、いい言葉を使い、ジョークを言い、自分もニコニコ笑っている。

どんなときも、愚痴らない、威張らない、ご機嫌でいる…

そんな素敵な年上でありたい。



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