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2016.4.30

自分がされてイヤなことは、他人にはしない

守屋洋氏の心に響く言葉より…

『人の小過(しょうか)を責めず、人の陰私(いんし)を発(あば)かず、人の旧悪を念(おも)わず』(菜根譚)

「小過」とは小さな過ちのこと、「陰私」とは人に知られたくないこと、そして「旧悪」とは過去の悪い行いのこと。

他人に関するこの3つは、なるべく触れず、ことさらに糾弾しないことが、人徳を高めるうえで大事であると、『菜根譚』は説いています。

想像してみてください。

あなたの些細な行動を、いちいち他人に咎(とが)められたらイライラしませんか。

知られたくないプライベートを暴露されたら、不快に思いませんか。

とうに終わった過去の過ちを掘り返されたら、腹が立ちませんか。

誰だって、そんなことをされるとイヤですよね。

「己の欲(ほっ)せざる所は人に施(ほど)す勿(なか)れ」

と孔子も説いていますが、自分がされてイヤなことは、他人にしないようにするのが賢明でしょう。

他人の恨みを買って得することは一つもないどころか、損でしかないということをよく覚えておきたいものです。

『イラスト図解 生きるのが劇的にラクになる菜根譚の教え』宝島社


昨今のマスコミは狂ったように、人のプライバシーや過失や古傷をあばき、糾弾する。

とかく、目立つ有名人は叩かれやすい。

マスコミの力を使ってのし上がった人は、落ちたとき、その返す刀で叩かれる。

同様に、一般の庶民であっても、他人の小さな過ちやプライバシーや旧悪をあばけば、それはやがて自分に返ってくる。

ブーメランの法則だ。

SNSやインターネットの発達した現代は、ますます重箱の隅をつつき、旧悪やプライバシーを暴露される時代となった。

だからこそ、『人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念わず』という言葉が今ほど必要な時はない。

自分がされてイヤなことは、他人にはしない人でありたい。



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