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2016.4.8

危機感のあるなし


致知出版社社長、藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

すぐれたリーダーと常人の差は何か。

それは危機感のあるなし、である。

安きにて危うきを忘れるか、忘れないか、その差である。

それは国、社会、組織だけのことではない。

個人の人生においても、常に危機感を持った人のみが、驕(おご)り、慢心という呪縛(じゅばく)から逃れて、人生を創造していくのである。

どんな組織も放っておいたら潰(つぶ)れる。

国も会社も、である。

組織の長たる者は常に危機感を忘れてはならない。

その危機を救うため、さらには理想実現のために、一歩も退かぬ人間的迫力。

これのない者に将の資格はない。

『活学新書 ポケット修養訓』致知出版社


「治に居て乱を忘れず」

という“易経”の言葉がある。

すぐれたリーダーは、平和で世の中が治まっている時であっても、乱世になったときのことを考え、常に用心し、準備を怠ってはいけない。

これは、「一葉落ちて天下の秋を知る」(淮南子)のことでもある。

わずか一枚の葉が落ちても(ほんのわずかな前兆を見て)、後に起こる大きな変化を予見するということ。

「蟻(あり)の一穴(いっけつ)天下の破れ」のことわざの通り、蟻のあけた小さな穴から、千里の堤防も崩れることがある。

ほんのわずかな油断や不注意でも、それを放置しておくと、そこから国を揺るがすような大事件につながることになる。

常に楽天的であることは大事だが、同時に危機感も忘れない人でありたい。


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