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2016.3.12

判断に困ったら、好きか嫌いかで決める


桜井章一氏の心に響く言葉より…

学問には“正解”という明確な答えがあるが、現実の世界、人生にはなかなか答えが見つからない難問がゴロゴロと転がっている。

正解が見つからず、悩んだ方々からのお便りが私のところにも毎日のように届く。

私がそういった難問でお悩みの方々に声をかけるとすれば「その難問からはしばらく離れて、別のことをすれば?」と言うだろう。

答えがなかなか出ない、がんばっても成果が出ないということは、その問題、課題は自分に合っていないということでもある。

たとえば異性に対して「大好きです」と伝えたとしても、向こうにその気がなければその想いが報われることはない。

答えの出ない難問に取り組むということは、決して報われることのない恋愛に夢中になってしまっているようなものなのだ。

本人にはまったく合っていないのに「それが合っているよ」と教えるのが、現代の教育であったり、世の常識と呼ばれるものなのかもしれない。

親や教師といった周囲の大人たちから合わないものを勧められて育った子供たちは、本当はそれが自分に合っていないのに「これは自分に合っている」と勘違いしたまま大人になる。

人間の基本的な「合う」「合わない」を選び取る感覚が狂ってしまっている人が、いろんな問題にぶつかって悩んでしまうのはある意味、当然のことなのだ。

答えを得ることができず、悩んでいる人たちの多くは「答えが出ないのは自分の努力がたりないからだ」と考える。

だから、合わない努力を続け、さらに悩み、迷宮の奥深くへと迷い込んでいってしまうのである。


「成長していくこと」「伸びていくこと」「大きくなっていくこと」「高みへと上っていくこと」。

そいういったことを「いいことだ」と教わり、信じている人は、今一度、本当にそれらがいいことなのかどうか、考えてみてはどうだろうか。

成長しなくたっていいこと、正しいことはこの世の中にいくらでもある。

伸びていかなくても楽しいこと、面白いこともたくさんある。

狂ってしまった「合う、合わない」を選び取るセンサーを整えるには、「好き、嫌い」「楽しい、つまらない」といった日々の基本的な選択を本能に則(のっと)って繰り返し繰り返し続けていくしかない。

もしかしたら、楽しいこと、面白いことは“厳しさ”の中に転がっているかもしれない。

でもその楽しさ、面白さを発見できた時、あなたのセンサーはわずかとはいえ、確実に修正されているはずだ。

『わが遺言  勝負の鬼が辿りついた50の境地』ポプラ新書


斎藤一人さんはこう語る。

「『私は美人じゃないし、英語もできないし、お料理だってじょうずじゃない』…。

でも、これはおおいなる勘違いです。

勉強が得意でない人が、勉強で見返そうと一生懸命勉強したり、藤原紀香さんに全然似ていない人が、紀香さんみたいになりたいと思うから無理があるのです。

『やっぱりダメだ』なんて、ますます自信をなくしてしまう。

不得意なものがたくさんあった私ですが、別に気にしてません。

だって、得意な人にやってもらえばいいんですから」(元気が出る魔法の法則)

さらに続けて、一人さんは「自分は中卒で、英語もできなかったけど、今何も困っていない」という。

高校や大学へ行くより、早く社会に出て稼ぎたかったし、英語が必要ならしゃべれる人を雇えばいい、と思ったからだと言う。

すべては考え方、見方(みかた)次第だ。

難問や、合わないことに、ま正面から取り組み刻苦勉励(こっくべんれい)するのもいいが、ちょっと視点をずらし、違った見方をすると、意外にすんなり解決することは多い。

悩んだり、判断に困ったら、合うか合わないか、いいか悪いか、正しいか正しくないかより…

好きか嫌いか、楽しいか楽しくないか、面白いか面白くないかを基準としたい。


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