2016.3.3 |
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仕事に笑いを |
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笑いのプロ、村瀬健氏の心に響く言葉より…
ご存じの方も多いでしょうが、漫才は「ボケ」と「ツッコミ」で形成されます。
常識とズレた発言をするのがボケ。
そのズレを指摘するのがツッコミ。
漫才の笑いは、ボケを起点として生まれるわけです。
職場においても、適度にボケることが必要です。
なにしろ、「ボケる人=おもしろい人」ですからね。
誰だっておもしろい人には、すすんで会いたくなるものです。
ボケる人には注目が集まり、結果として人間関係がよくなり、ビジネスがうまくいくのです。
それに職場では、プロの芸人のように、大笑いさせなくても大丈夫。
相手をクスッとでも笑わせれば、「おもしろい人」と思ってもらえます。
一度でもそう思わせたら、すでにこちらのものなのです。
自分からどんどんボケていると、性格も明るくなります。
テレビで引っ張りだこの人気女性コンビ、ハリセンボンの箕輪はるかさんは、「性格を明るくしたいから」と芸人を志したそうです。
現在も明るいとは言えないかもしれませんが、ご本人は「当時と比べたら、はるかに明るくなった」と言っていました。
人を笑わせたことがきっかけとなって、性格が変わった芸人はたくさんいるのです。
そのための第一歩が、ボケること。
ボケとは「自分が考えたことを、勇気を出して発表する」ということでもありますからね。
ボケることを習慣にすれば、度胸がついて、あらゆる場面で積極性が出てきます。
「でも、スベったらどうしよう…」
そんなふうに不安になって黙っていたら、損をします。
むしろ、大勢の前でスベったとしたら、そのこと自体が貴重な経験です。
一度でも失敗を経験すれば、恐怖心が小さくなります。
それまで以上に積極的に、自分を表現することができるでしょう。
ビジネスに直結する大きなミスは、場合によっては職を失うほど深刻です。
ですが、ボケるときにどれだけミスをしても、その場で失笑されて終わりです。
スベることを恐れていたら、いつまでも変われません。
それにプロの芸人でさえ、実はトーク中にスベりまくっています。
テレビ番組でもあとから編集で、スタッフの笑い声を追加しているのです。
積極的にボケることは、精神力強化のための投資。
「お金のかからない自分磨き」なのですから、絶対にやるべきなのです。
あなたが勇気を出してボケたのに、相手に気づかれないこともあります。
これは往々にして、「この人は笑わせるタイプの人だ」という「前フリ」が弱いのです。
相手に笑う準備ができていないんですね。
この場合の前フリとは、あなたのイメージと思ってください。
たとえば、爆笑問題の大田さんがボケたときは、すぐにボケだとわかります。
普段から、ボケまくっているイメージが強いからです。
一方、渋い俳優さんがボケても、ボケだと気づくのに時間がかかります。
笑っていいものかどうか、微妙な空気になるときもあります。
こうした事態を避けるためにも、普段から、ボケるところを見せておいてください。
少しずつでもボケておけば、相手に「この人は笑わせるタイプの人だ」というイメージができあがります。
それが前フリとなって、ボケが伝わりやすくなるのです。
ボケ慣れしていない人は、1日に3回はボケてください。
これを毎日続ければ、ボケることへの抵抗がなくなっていきます。
『楽しく生き抜くための 笑いの仕事術』マガジンハウス
村瀬健氏は、すべてのボケをアドリブで出す必要はない、という。
よく聞かれる質問には、あらかじめボケを考えておく。
あるいはよくある場面にも、事前にボケを用意する。
例えば、打ち合わせが長引いたとき、担当者が「お弁当買ってきます」と申し出てくれることがある。
そのような場面では、
「よろしければ、お弁当を買に行きますけど?」
「いえいえ、けっこうです。僕は外で食べますんで」
「そんなことおっしゃらずに。ほしいお弁当をおっしゃってください」
「いえいえ大丈夫です!」
「いいですから。遠慮しないで」
「そうですか。ではお言葉に甘えて、うな重をお願いします」
散々遠慮していたくせに、高価なうな重弁当をお願いする。
このボケは、鉄板でウケます。
(以上、本書より抜粋引用)
「誰だっておもしろい人には、すすんで会いたくなる」
笑いは、人間関係をよくする魔法の潤滑油。
ボケの技術を身に付けたい。 |
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