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2016.2.29

貴老の人


今西恭晟氏の心に響く言葉より…

《年齢とともに、肉体は衰えていきます。

しかし、年齢とともに、人間的魅力を増し、人間的成熟を深めていく人はたくさんいます。

そういう人を貴老(きろう)の人といいます》(藤尾秀昭)

「貴老」とは、老人を敬っていう言葉です。

「老人に対して貴老と呼ぶ。好い語である。老人はいつまでも愚老になってはいけない」と、安岡正篤は語っています。

貴老であるには、何事にも興味を持つことです。

年齢とともに興味が薄れ、学ばなくなっては、愚老になるばかりです。

愚老とは老いて愚かになることで、これは老のマイナス面でしょう。

しかし、老には長年経験を積んで、そのことに熟練するという「老練」「老熟」という側面があります。

老のプラス面を深めていく人生でありたいものです。

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「少にして学べば壮にして為すこと有り。

壮にして学べば老いて衰えず。

老いて学べば死して朽ちず」

という、佐藤一斎の『言志四録』の中の有名な言葉がある。

青少年の若い年頃に学べば、壮年(中年)になって、ひとかどの仕事を成し遂(と)げることができる。

壮年になっても学び続ければ、気力胆力が衰えることはない。

老年になっても学び続けることができれば、見識はより深くなり、死後もその名声が朽(く)ちることはない。

言志四録は全4巻1133条ある。

佐藤一斎は、80歳になってから2年間で、そのおよそ3割の340条を書き上げたという。

いくつになっても好奇心を持ち、学ぶ姿勢があるなら年は取らない。

しかし、今どんなに若くても、好奇心を忘れ、学ぶことをしないなら、若くしてすでに愚老の人となっている。

貴老の人をめざしたい。


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