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2016.2.10

正射必中


ゴディバジャパン代表取締役、ジェローム・シュシャン氏の心に響く言葉より…

ゴディバジャパンは、この5年間で2倍の売り上げ増を達成しました。

今の時代、どんなビジネス戦略を立てれば、このような結果が出せるのか?

皆様の関心の的はここにあると思います。

その答えは、結果を出せるビジネスの正しい姿勢を、長年続けている弓道から学んでいたからだと私は考えています。

弓道には「正射必中」(正しく射られた矢は、必ず的に当たる)という考え方があります。

ビジネスの世界に置き換えると、「お客様のことを本当に考えてよい商品を作れば、結果は必ずついてくる」という意味になります。

これは当たり前のことかも知れませんが、実際に仕事を進めていくと利益率や効率性、売り上げや職場の人間関係などに惑わされ、実現することの難しさに気づかされます。

私の場合、弓道の教えがあったからこそ、ブレることなく「正射必中」の考え方を貫き通せたのだと思っています。

弓道には、弓矢を使って矢を射るまでの動作を八つに区切って説明した「射法八節」という法則があります。

矢を射るまでの一連の動作は、足踏み、胴作り、弓構え、打起こし、引分け、会、離れ、残心(残身)と呼ばれる八つのステップに分かれています。

この八つのステップを正しく行うことができれば、矢は必ず的に当たる、とされています。

この考え方はとてもポジティブで、気持ちを楽にしてくれます。

私たちは、結果にとらわれて、喜んだり、意気消沈したりすることなく、それぞれのステップを正しく行うことに集中すればよいのです。

これは弓道だけではなく、人生やビジネスに当てはめることのできる普遍的な心理だと思います。

ビジネスでいえば、売り上げはあくまでも結果なのです。

正しいことを行った結果であって、目的ではありません。

結果について思い煩うと、本来の目的を見失ってしまいます。

ゴディバはチョコレートを売る会社ですが、一番の目的は、チョコレートを通じて世界の皆様にハッピーをお届けすることだと私は考えています。

そのためにはお客様に品質が高く美味しいチョコレートを、楽しく気持ちよくお買い求めていただくことが必要です。

その目的を最優先して正しいプロセスを踏めば、売り上げや利益という結果は、自然とついてくる。

私は、お店での販売ステップを、次の五つに分けて考えています。

@いつでもお客様のご要望にお応えできるように、お店の在庫を調整する。

Aお客様が入りやすく、買いやすいお店にする。

Bショーケースにはいつもチョコレートを美しくディスプレイする。

Cお客様に気持ちよく過ごしていただけるよう、お店を徹底的にきれいにする。

Dお客様にお買い物のひとときを楽しんでいただけるよう、接客技術を向上させる。


『ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』高橋書店


「結果より今の行動に焦点をあてる」

マラソンの高橋尚子の言葉だ。

とかく我々は、結果の数字に目がいってしまう。

しかし、スポーツや芸術なら、日ごろ積み重ねた練習や稽古の量や質で結果は決まり、会社で言うなら、商品、サービス、清潔さ等々を毎日どれだけ磨き上げ、向上させていったかで決まる。

つまり日頃の行動が結果を左右する。

正しい行いをすれば、正しい結果がついてくるし、間違った努力をすれば(あるいは何も努力をしなければ)悪い結果がやってくる。

「正射必中」

結果より、今の行動に焦点をあてたい。


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