2016.1.17 |
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おとなになるっていうこと |
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吉本ばなな氏の心に響く言葉より…
まず、歳上の人は偉いと簡単に思ってしまうと、いろいろなことがうんと楽になります。
とりあえずひとつでも年が上なら、いちおう礼儀正しくふるまい、どんどんおごってもらいましょう(笑)。
そして歳下の人たちにはおごってあげましょう。
私はその文化がわりと好きなので、変えなくてもいいと思い、自分では採用しています。
でも人それぞれ好みがあると思うので、自分の属しているグループ内で調整してください。
私は、おばさんになったらおしゃれもしなくなるし、体型も崩れるし、あつかましくなるし、声も大きくなるし、豹柄(ひょうがら)など着るようになり、人生は終わってしまうのではないかと思っていました。
でも、そんなことはなく(一部そうなっているのは否めないけど…特に豹柄と体型)、自分のことが自分でよくわかるようになるから、どんどん楽になっていくのです。
行きたくないレストランも、飲みたくない飲み物も、着たくない服もわかってくるし、もっと言うと会いたくない人もわかってくる。
そうすると自分で自分の人生を創造することができるようになる。
だいたいよく考えてみたらわかると思うんだけれど、子どもってちっとも自由なんかじゃないです。
基本的に親と学校の枠のなかで考えなくっちゃいけないのだし、経済的にちっとも自由がない。
暮らし方も選べないし、友だちも知っている範囲で見つけるしかない。
今からあの時代に戻れと言われたら冗談じゃないと思うと思う。
あふれるエネルギーがその不自由さを補っているだけで、ちっとも楽でも自由でもない。
それでも若いころの自分の写真を見ると、しみじみと思うのです。
なんてきれいな体の線、なんという元気さ、回復力、体力!
この頃にしかできないことをもとやっておけばよかった、と。
この頃の自分はそんなことを知らず、先になればなにかもっといいことがあるはずだと思って、いろいろなことを制限していたのです。
もっとビキニを着たり、派手な化粧をしたり、バカ食いしたりすればよかった。
けっこうしてたけど、もっともっと。
そして、はっと気づくのです。
そうか、あと十年か二十年後の私が見たら、三十年後に生きているとして健康でなかったりしたら、今の私に対して、全く同じことを思うに違いないんだ!と。
だから、今できることは目一杯。
それが未来の自分自身からのいちばんだいじなメッセージだと思います。
そのことをほんとうに理解することが、大人になるっていうことかもしれません。
『おとなになるってどんなこと? (ちくまプリマ―新書)』
「さしあたる事柄のみをただ思え。過去は及ばず、未来知られず」
という中村天風師の言葉がある。
過去のことは、どうやっても変えることはできない。
そして、ほんの一瞬先の未来であっても、誰も分かる人はいない。
だからこそ大事なのが、本日ただ今、この目の前の瞬間。
さしあたる今、この現実に真剣に向き合うしかない。
今を真剣に生き、今が充実していれば、過去や未来のことは気になることはない。
過去を懐かしんだり、未来が不安に思うときは、今が充実していないから。
充実している人は、毎日の中に幸せを見つけることができる。
「今できることは目一杯」
毎日を充実して生きたい。 |
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