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2015.12.17

「ない仕事」の作り方


みうらじゅん氏の心に響く言葉より…

私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです。

ここ数年ブームが続いている「ゆるキャラ」も、私が名づけてカテゴリー分けをするまでは、そもそも「ない」ものでした。

元々は、各地方自治体や団体が独自に作っていた単なる「着ぐるみ」だったものが「ゆるキャラ」となった今、もう私の手など及ばないほどの一大産業となりました。

このように「ない仕事」を作っていこうと意識し始めたきっかけは、「マイブーム」という言葉でした。

これも私の造語で、1997年の「新語・流行語大賞」受賞語となったものであり、2008年に改訂された『広辞苑』(第六版)にも掲載されています。

それまで私は、自分が「これは面白い!」と思ったものやことがらに目をつけ、原稿を書いたり、発言したりしてきましたが、世の中の話題にならないことのほうが多かったことは確かです。

そこで、「だったら流行るかどうかをただ待つのではなく、こちらから仕掛けていこう」という発想に至りました。

私(みうら自身)の流行を、世の中に広めていく。

本来、これが「マイブーム」の本当の意味だったのです。

私は何でもかんでも流行らそうとしているわけではありません。

私が「仕掛け」をするのは、本当に好きになったものだけなのです。

そして、その“本当に好きで、まだ皆が知らない面白いこと”を世界に届けたい。

そのためには「ブーム」を起こすことが必要なんです。

ブームにならないと、誰も見てくれませんから。

「マイブーム」を広げるために行っている戦略を、私は「一人電通」と呼んでいます。

電通とは日本を代表する広告代理店ですが、そこで行われていることを、全部一人でやってしまおうという意味です(ちなみに、博報堂の方とお話する際は、「一人博報堂」に変更します)。

ネタを考えるのも自分。

ネーミングするのも自分。

デザインや見せ方を考えるのも自分。

雑誌やテレビやイベントなどで、それを発表するのも自分。

さらに、そのために編集者やイベンターを「接待」し、なるべくネタがよく見えるように、多くの人の目に触れるようにしていくのも自分。

クリエイティブだけでなく、戦略も営業もすべて一人で行うわけです。

『「ない仕事」の作り方』文芸春秋


「好きになる」ということについて、みうら氏はこう語る。

「『もの』や『こと』を好きになるのはごくあたりまえのことです。

ただし、私の仕事においては、あえてその逆をいくことが多いです。

第一印象が悪いものは、「嫌だ」「違和感がある」と思い、普通の人はそこで拒絶します。

しかしそれほどのものを、どうやったら好きになれるだろうかと、自分を『洗脳』していくほうが、好きなものを普通に好きだと言うよりも、よっぽど面白いことになるからです」(同書より)

一見すると気持ち悪い玩具の「ゴムヘビ」や「天狗」のグッズなどを集めたときも、最初から好きだったわけではなく、すべて「私はこれを絶対好きになる」と自分を洗脳したそうだ。

そうしているうちに、いつのまにか自分の中でゴムヘビは学問となり、数年後には、膨大な数の天狗やゴムヘビのコレクションを、展覧会として発表することになったという。

嫌いだ、最悪だ、という状況であっても、自分で自分を洗脳し、それを面白くしてしまう。

つまり、西田文郎氏のいう「錯覚の法則」。

今こそ、「ない仕事」を作る感性が必要とされている。


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