2015.11.21 |
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感謝力を高める |
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野口嘉則氏の心に響く言葉より…
「幸せになりたいのですが、幸せになるにはどうすればいいですか?」という質問をされることがあります。
そんなとき私は、「幸せは、求めるものではなく、今ここに見出すものではないかと思います」と答えています。
「幸せになりたい」と幸せを求めているとき、私たちは「今は幸せではない」と認めていることになり、今の状態に感謝できません。
この心境で生きる限り、本当の幸せには出合えないのです。
「お金持ちになれば幸せになれる」と信じている人もいれば、「好きな人と結婚できれば幸せになれる」と信じている人もいます。
しかし、幸せであるかどうかを決める決定的な要因は、そういった外的条件ではなく、私たち自身の心のあり方なのです。
実際、世の中には「金持ちだけど幸せではない」という人もいれば、「好きな人と結婚したのに幸せでない」という人もいます。
今ある幸せに感謝できない限り、どんなに外的条件が満たされても、あらたな不満が生まれて、本当の幸せを味わうことができません。
ここで必要になってくるのが感謝力です。
感謝力とは、今ある幸せに気づき感謝する能力です。
嬉しいことや幸運なことがあったときは、誰もがそのことに感謝しますね。
ところが感謝力が高い人は、とくに何ごともないような平凡な日常においても、その中の幸せを見出し、頻繁に感謝をします。
また、辛いことや困難なことに出合っても、それによって成長できることに喜びを見出し感謝するのです。
つまり、感謝力が高い人にとっては、毎日がありがたいことだらけなのです。
私の友人から聞いた話です。
彼が、五歳になる息子さんと公園で遊んでいたとき、息子さんが「おしっこ」と言ったので、公園のトイレに連れて行ったそうです。
そして彼が見ていると、息子さんはおしっこをすませたあと、便器のほうに向かって合掌し、軽くおじぎをしたのです。
何をしたのか尋ねたところ、息子さんは「おしっこの神様を拝んだんだよ」と言ったそうです。
それを聞いて友人は、息子さんの純粋さに感動しました。
その友人は、「古事記」など日本の神話が好きで、息子さんを寝かしつけるときなどに、神話のストーリーをよく話してあげていたそうです。
「古事記」には太陽の神、海の神、風の神、山の神、野の神、木の神、火の神、水の神、食物の神など、さまざまな神様が登場します。
そして、「おしっこや便の中にも神様がいる」という話が出てきます。
彼の息子さんは、その話を覚えていたのです。
「古事記」など日本の神話に一貫して流れているのは、神羅万象の中に神を見て、それを敬い感謝する心です。
ものをただの物質と見るのではなく、現象をただの物理現象と見るのではなく、それらを大自然の叡智(えいち)の現れと見て感謝するのです。
この感性で生きれば、たくさんの神様に囲まれて生活しているという感覚になり、太陽を見て感謝し、風を感じて感謝し、火に水に食物に感謝し、トイレに行ったときも感謝し…と、生活のすべてが感謝三昧(ざんまい)になります。
ここに感謝力を高めるヒントがあります。
感謝の極意は、当たり前のことを「ありがたい」と感謝することです。
『心眼力 -柔らかく燃えて生きる30の智恵- (CD付)』サンマーク出版
「ありがとう」の反対は「当たり前」。
ありがとうとは、漢字で書けば「有難し」。
有ることが難(むずか)しいほど珍しいこと、めったにないこと、すなわち奇跡ということ。
奇跡の反対は、当たり前。
我々は明日も、今日と同じ日が続くと思っている。
しかし、この当たり前のような毎日は、本当は奇跡の連続の上になりたっている。
それは、世界のどこかで、毎日のように起こっている、大きな事故や災害、テロや戦争のニュースを見ればわかる。
『感謝の極意は、当たり前のことを「ありがたい」と感謝すること』
感謝力を高めたい。 |
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