2015.11.9 |
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これまでになかったもの |
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ファーストリテイリング、柳井正氏の心に響く言葉より…
商売は、毎日お客様から投票をいただいているようなものですから、お客様のためを思って活動していない企業にお客様が投票して下さるはずはないのです。
お客様を喜ばせようと思ったら、私は次の三つのことを大切にすべきだと考えます。
一つ目は、
「お客様をビックリさせようと思わなくてはいけない」ということです。
お客様が、「これは体験したことがない。すごい!」とか「ここまでやってくれるの!」などと、ある種感動を覚えるようなこと、これを自分の職務・職場にあてはめて、常に考えるようにするということです。
本当の顧客満足とは、
お客様が欲しいと思っているものを、お客様が想像もしない形で提供するところにあります。
「こうきたか、おぬしやるな」。
こう思っていただいてはじめて、ファンになってもらえるのです。
そうなるためにも、次の二つ目が大事です。それは、
「お客様の声は重要だが、その一枚上手をいこうとする」思考習慣を持つということです。
ご存知のように、経営理念の第一条は「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」です。
要望に応えようと思ったら、「お客様がいったいどういうことを考えているのか」「どんな心の状態にあるのか」といったことを、徹底的に知ろうとする努力がなくてはいけません。
しかし、ここからが難しいのですが、とても重要なことがあります。
それは、その声を鵜呑みにして、そのままの形で提供すると、とんでもないことになるということです。
つまり、声を形にしたのに、思ったほど支持されなという結果になりがちだということです。
なぜこんなことが起きるのでしょうか。
それは、お客様はまだ見たことがないもの、体験したことがないものを求めているからです。
お客様の本当の要望とはここにあるのです。
お客様に教えていただけるのは、あくまでも問題点やニーズなのです。
それをプロである我々が、想像力と創造力を働かせて、「それはこういうことではないでしょうか」とお客様の期待を、一枚上手をいくような形で超えていく。
ここに、お客様からした時の本当の付加価値が生まれるのです。
これは商品などの形になるアウトプットばかりでなく、接客などのサービスの場面でも同じことが言えると思います。
三つ目は、
「提供者である自分たちが、本当にいいと思うもの、本当にいいお店だと思うものを作る」ということです。
「本当にそれは自分がお客様だとしたら何枚も買いたいと思うような服か」
「本当にここは、自分がお客様だったら、毎日来たくなるような店か」
「本当にここは、自分の子どもや家族に自慢できるような店か」
などと思えるものになっているかどうかということです。
お客様は敏感です。
売り手のそんな気持ちが伝わってこない商品や店なんて一発で見抜きます。
だから絶対に売れません。
ユニクロでこれまで売れた商品の共通点を探すと言えることは二つです。
一つは「これまでになかったもの」です。
あったとしても、価格が高くて一般の人の手に届かなかったものです。
もう一つは「売る側が信じて売っている商品」です。
「これを買ってください。絶対にいいものです」
売る側がそう断言できる商品です。
『経営者になるためのノート ([テキスト])』PHP
お客様の期待値や想像を上回ることをしたときに、お客様は驚いたり、感動してくれる。
それを平野秀典氏は「期待と現実のギャップを創る」と言う。
舞台でも、映画でも、あるいは経営においても、これはみな同じ。
いい意味で、期待を裏切ったときに、そこに感動が生まれる。
スティーブ・ジョブズはこう語っている。
「消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。完成するころには、彼らは新しいものを欲しがるだろう」
「絶対にマネのできない、マネしようとすら思わないレベルのイノベーションを続けろ」
お客様は、現実に商品を見て初めて、「ああ、これが前から欲しかった」という。
それは、決してアンケートから生まれたものではない。
「お客様はまだ見たことがないもの、体験したことがないものを求めている」
1歩先をゆく努力を常にし続けたい。 |
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