2015.10.27 |
|
機転力を身に付ける |
|
|
明治大学教授、齋藤孝氏の心に響く言葉より…
会話が終わり、相手と別れた後で、
「あのとき、こう切り返しとけばよかった…!」
「あの言葉は外しちゃったなぁ」
と思ったこと、ありませんか?
あるいは、機転を利(き)かせていい受け答えをし、すっかり相手と仲良くなってしまう人と同席したとき、すごいと思うと同時に、
「こんなふうに機転が利いたらいいけど、自分はそういう性格じゃないからなぁ」
と、ちょっと悔しい思いをしたことはないでしょうか。
たしかに、機転が利くというと、生まれつきの性格や育った環境で決まるように思われがちです。
しかし、これは先天的な能力ではなく、「技」です。
大人になってから身につけられるのです。
コミュニケーションにはどんな要素があるか?
大きく分けると、「聞く力」と「話す力」、「その他の力」の三つがあります。
「聞く力」には、
話のポイントを的確につかむ「要約力」、
相手から話を聞き出す「質問力」、
話を拡げる「展開力」、
話を理解するための「情報力」、
相手の話に共鳴する「共有力」、
キーワードをもとに会話を広げる「メモ力」、
があります。
「話す力」には、
話をまとめて分かりやすく伝える「プレゼン力」、
決められた時間内に自分の考えを伝える「コメント力」、
話をやわらかくする「ユーモア力」、
などがあります。
「その他の力」には、
TPOに合わせて自分を変える「修正力」、
相手がどういう人かを見抜く「観察力」、
相手の状況や本音を見抜く「キャッチ力」、
対局的に、冷静に問題を解決できる「図化力」、
トラブルや相手が怒っているときに対応する「謝罪力」、
などがあります。
コミュニケーションをこれらの要素に分け、日々の会話で自分がどれだけできているかを意識する。
そしてできている部分をさらに伸ばし、足りない部分を補うようにする。
つまり訓練するのです。
個々の要素を磨き、技として身につけていけば、おのずとコミュニケーション力は高まる。
意識することで私たちの能力は想像以上に高まります。
『人生は機転力で変えられる!』青春出版
アメリカの第40代大統領のレーガンが大統領に就任して間もない頃、狙撃され救急病院に運び込まれた。
弾丸摘出の手術前に、医師たちに向かってこう言ったという。
「ところで、あなた方はみな共和党員だろうね?」
そのウイットのセンスに、大統領としての人気は一気に高まったという。
とっさのときに、気の利いたひと言やユーモアを言える人は魅力的だ。
どんなに切羽詰(せっぱつま)っても、そこに余裕を感じるからだ。
機転力を身に付けたい。 |
|