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2015.9.28

風車、風が吹くまで昼寝かな


松原泰道師の心に響く言葉より…

昔の教えに「流れに従って、流れに任せず」とあります。

川を渡ろうと思ったときに、川の流れに逆らったら渡れません。

流されながらも向こうに渡るという目的を持つことが大切で、主体性は常に自分にあります。

元外務大臣で戦犯になった広田弘毅(こうき)さんが、外務省の欧米局長のときに後の首相、幣原(しではら)喜重郎に嫌われて人事異動でオランダ公使に飛ばされるんです。

当時はオランダと日本は通商がなかったので、この移動は左遷でした。

皆はこれを心配しましたが、当の本人は平気のへっちゃら。

そのときの心境を得意の狂句で吟(よ)んでいます。

「風車 風が吹くまで 昼寝かな」

風車はオランダのトレードマーク。

風車はエンジンを持たないから、いかに精巧であっても風が吹かなければ自分では回れないものでしょう。

彼はオランダへ飛ばされる、オランダは風車が有名、風車は風が吹かないとどうにも仕方がない、風が吹くまで昼寝かな、と詠んだわけですね。

彼はのほほんとしていたけれども本当に昼寝をしていたわけではもちろんありません。

その逆境時に、外交的ないろんな情報を集めて勉強するんです。

そして再び中央に戻ってソ連の大使になったときに、その成果を発揮して成功を収めたのです。

彼は機が熟するのを待ったわけです。

慌てることなく、じっくりと。

もちろん待つことには勇気が必要ですから、これは大変なこと。

でも、物事にはいいときも悪いときも必ず“流れ”がある。

これに抵抗してはダメだと思うのです。

無理して慌ててもいい結果は得られません。

たとえ逆境の中だろと腐らずにいれば必ずチャンスはやってくる。

そのときのために努力を続けること。

そうした機会をじっくり待てるということも大きな勇気だと思います。

『つまずくことが多い人ほど、大きなものを掴んで成功している。 日本人への遺言 (magazinehouse pocket)』マガジンハウス


安岡正篤師の言葉に、「八観法」(呂氏春秋)がある。

人物を見るための八つの見方だ。

その八つの中に、「賤(せん)なれば其(そ)の為(な)さざる所を観る」がある。

人は落ちぶれたときにどう動くかで、本物かどうかわかる。

やけになったり、見苦しくジタバタするのか、はたまた、従容(しょうよう)としてそれを受けいれるのか。

何をしたかではなく、何をしなかったかを観る、ということ。

広田弘毅氏は、第三十二代の首相で、従容の人と言われる。

従容とは、どんな危急存亡の時でも、ゆったりとして慌てたり騒いだりしないことであり、泰然自若(たいぜんじじゃく)としていること。

「風 疎竹に来る 風 過ぎて竹に声を留めず」

これも、広田弘毅氏が広めた言葉として有名だ。

風がまばらな竹林に吹くと、竹の葉がザワザワと音をたてる。

しかし、風が一旦通り過ぎれば、もう竹林は何事もなかったように静まり返る。

何か事が起きたときは心が動くが、それが一旦終わってしまえば、いつまでもそれにこだわらずに淡々としている、ということ。

「風車、風が吹くまで昼寝かな」

従容の人でありたい。


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