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2015.7.28

モノを尋ねるときは


落語家、立川談四楼さんの心に響く言葉より…

なんでもかんでもインターネットで調べられる時代です。

外出先でも、スマートフォンがあれば、何でもすぐに検索できるというのは、たいへんに便利だなぁ、とは思います。

だからなのか、このところ、人にモノを訪ねる態度がちょっとおかしい人が急増している気がします。

人にモノを尋ねるときは、「お尋ねします」だとか「恐れ入ります」だとか、「忙しいところごめんなさい」という言葉が常套だと認識しているのですが、これなしに、いきなり用件に入る人が多いこと。


さる駅員さんに聞いたのですが、最近、「○○はどこ?」と、いきなり言ってくる人が多いそうで、ビックリしました。

その駅員さんは、「仕事ですからお教えしますが、ムッとしますよ」と苦笑い。

そりゃそうですよ。

だって、ひとりやふたりじゃありません。

日に何十人もそんなヤツらばかり来ては、駅員さんだって苛立(いらだ)ってしかりです。

しかも、答えに対して「ありがとう」の言葉もないっていうんですから、まったく呆れてしまいます。


パソコンやスマートフォンは“キカイ”ですから、こちらが気を遣うことはありません。

むしろ、「いつもありがとうねぇ」なんて声をかけ、撫でているほうが問題あります。

ですが、われわれ、生身の人間です。

モノを尋ねるときは、「ちょっとお尋ねします」。

最後には、「どうもありがとうございます」。

この当たり前のひと言を添えるか添えないかで、相手の気持ちはまったく違ってくるものです。

言ったあなただって、きっと気持ちいいはずですよ。

『ほめる力: 人に認められる極意、教えます』学研


お金を払っているから私はお客だ、だからサービスしてもらうのは当然と、お店や飲食店で、上から目線で接する人は多い。

お店のスタッフの立場になってみればわかるが、丁寧な言葉を使って敬意を持って接してくれる人と、ぞんざいな言葉でまるで下僕のようにイバって接する人とがいたら、どちらに好感を持つかは言うまでもない。

この人はめったに会うことはない、と思うからぞんざいになる。

近所の人だったり、親戚や上司だったら、そうはいかない。

「袖振(そでふ)り合うも多生(たしょう)の縁」

袖が触(ふ)れ合うようなほんのわずかな縁(お互いにすれ違うような出会い)だと思っていても、それは前世からの深い因縁によるもの。

駅員さん、タクシーの運転手さん、交通整理のおじさん、トイレ掃除のおばさん、飲食店や居酒屋の店員さん、コンビニの店員さん…

店員とお客さんの関係は、奴隷と王様の関係ではない。

もし、「お客道」という言葉があるとしたら、店員に、敬意を持って、感謝の気持ちで接する人が、お客道を究めた達人のお客様。

誰に対しても、丁寧な言葉を使い、謙虚で感謝多き人でありたい。


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