2015.7.18 |
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損から入ると運がたまる |
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萩本欽一氏の心に響く言葉より…
ほとんどの人は「損をしたくない」と思って生きていますよね。
だけど、そういう生き方をしていると、自分でも気がつかないうちにずるくなったり、意地悪になったりしやすいと思うの。
だって今の世の中がそうでしょ?
みんなで得しましょう、損をしたい人は勝手に苦労してなさいっていう仕組みになってますよね。
幸運もお金も人のあいだをぐるぐる回ってるんだから、すべての人が一緒に得をするなんてありえないんですよ。
幸せになりたいと思うなら、進んで損をしたほうがいいの。
人とつき合うときは、率先して損な役回りをすると、だれかが幸運を持ってきてくれます。
自分のために損をしてくれた人がいたら、うれしくなるでしょ。
だから人間関係が円滑になるし、一緒に仕事をするときも信頼関係が早く結べるんです。
かといってなにか見返りを求めて損をしたり、相手にとって負担になるような極端なことをしちゃダメ。
このあたりはバランスを考えて行動しないと運にならない。
僕の場合、なにか事を興(おこ)すときは必ず損から入ります。
これを覚えたのは、高校時代でした。
高校の三年間はいくつものアルバイトをしてたんですが、いちばんうれしい思いをしたのは京橋の洋食屋さん。
なにがうれしいかって食べ物屋さんですから、食材があまるとアルバイトにも食事を出してくれたんです。
ここでアルバイトをしたのは高校二年の夏休み。
僕と同時にあと二人、学生が雇われたんですが、女主人はまず僕を見てこう聞きました。
「仕事は三つあるの。キャベツを切ったりカツを揚げる仕事。配達、皿洗い。どれにする?」
迷わず言いましたよ。
「僕、皿洗いにします」
ほんとはカツを揚げたかったけど、だれでもこれを選びそうでしょ。
だからあとの二人と険悪にならないよう、いちばん人がやりたくない皿洗いを選んだんです。
店の主人にいいとこ見せよう、という気持ちもちょっとはありましたけどね。
で、皿洗いを始めたら、鍋底がみんな真っ黒。
店にあるタワシじゃぜんぜん落ちないの。
自分から選んだ仕事だったから、これをどうにか落としてピッカピカにしたくてね。
自分で20円だして金属のタワシまで買って、いつもお皿と鍋をきれいにしてました。
このバイトは夏休みいっぱいの約束で、最後の日にバイト仲間三人で帰ろうとしていたら、「萩本君、ちょっと」って店主が奥から僕を呼びとめました。
行ってみたら、こう言われたんです。
「萩本君、よかったら卒業するまでうちで働いてくれないかい?」
ちゃんと僕のこと見ててくれたんだ、って思いましたね。
自分から損したり、一生懸命やってれば、やっぱりだれか見ててくれるんだって、やけにうれしかったな。
自慢話みたいでいやだけど、でも「損から入って一生懸命やろう」ってこのとき思ったのね。
どんなちっちゃなことでも損から入るといいですよ。
人のために自分の時間や知恵やお金を使うと「睡眠時間が減る」とか「頭が痛い」「心が痛い」「ふところが寒い」などなど、いろいろな不都合があると思うのね。
でも、それぐらいは我慢しちゃうと、あとで運になります。
損のままで終わる人生ってないんです。
『ダメなときほど運はたまる ~だれでも「運のいい人」になれる50のヒント~ (廣済堂新書)』
「損と得あらば損の道をゆくこと」
ダスキンの創業者、鈴木清一氏の言葉だ。
「損の道」の反対は、自分さえよければいい、と他人の迷惑もかえりみず、われ先にと、人を押しのけ、蹴(け)散らしてゆく「ガリガリ亡者(もうじゃ)の道」。
ガリガリ亡者とは、欲深くてむさぼるように自分の利益だけを考えている者のこと。
損の道をゆくとは、自分の欲や利益を後回しにして、先に他人の利益や喜びを考えること。
対人関係においても、仕事や家庭においても、考え方の基本に、「自分が少し損をする」という気持ちがあると何事もスムーズにいく。
「幸せになりたいと思うなら、進んで損をする」
損から入ると運がたまる。 |
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