2015.7.10 |
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好きの反対は嫌いではない |
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エイベックス・スポーツ社長、伊藤正二郎氏の心に響く言葉より…
若いころにいくつかアルバイトをしましたが、スキーのインストラクターはいろいろと勉強になりました。
スキーはなにかとお金がかかるスポーツですが、インストラクターとして働けば宿泊費もリフト代も無料で滑り放題。
さらにバイト代までもらえるのですから、楽しくてしかたがありません。
なにより私のスキルを通じて、今までスキーの経験がなかった人が新しい楽しみを知る…人の人生が確実に豊かになることがうれしかったのです。
教える相手は主に修学旅行の高校生。
スキー場ではインストラクター一人当たり、だいたい12人から13人の生徒を受け持ちます。
学校のクラスにおける半分以下の生徒です。
「こんにちは!今日から3日間いっしょにスキーを楽しみましょう」
こう挨拶すると、8〜9割くらいの子は「よろしくおねがいします」と返答してくれる。
ところが、必ずといっていいほど1〜2割の子がまったく無視をするのです。
不思議なことにこの割合はどこの学校の生徒を教えても同じ。
「なんでこんな寒いところにいなきゃならないの!」
「修学旅行なんか来たくなかったし〜、どうでもいいし〜」
そんな、半ばふてくされた生徒が必ずいるのです。
それが3日間のうちに打ち解けて、最後に「先生と別れたくない」「ありがとうございました!先生のことは一生忘れません」とボロボロ泣いてしまうのは、最初に文句を言っていた1〜2割の生徒たち。
この現象も判で押したように一緒です。
この話で何をお伝えしたいかというと、好きの反対は嫌いではないということです。
コンセプトに則(のっと)った外見や主張、行動を継続していると、あなたに好意的な人も増えますが、同時に否定的な人も出てきます。
ダルビッシュ有選手にしても本田圭佑選手にしても、「すごい人」たちへは好意的な記事や報道がある一方で、ひどく中傷的なものもあります。
成績がふるわなかった、ファッションが気に入らなかった、発言が不遜だと、さまざまな理由でたいへんネガティブな報道や批判にさらされます。
しかし、悪口ではやし立てるのは少なからず気になっている証拠。
「ムカつく」「嫌いだ」と言っている人ほど、その選手のブログやスケジュールをしっかりチェックしていたりするものです。
では、私たちマネジメントの専門家が最も恐れるのは何か?
それは「嫌い」ではなく、「無関心」です。
「好き」の真逆にあるものは「無関心」…なにをしようが、どこに行こうが見向きもされない。
視聴者やファンから忘れ去られるのが一番怖いのです。
スキーのアルバイトのときも「なに、この先生!?」と言っている子は、私のことが「気になっている」のであり、なにかきっかけさえあればすぐに仲よくなりました。
コンセプトを決め、それに合った振る舞いを継続していると、あなたの存在感は否応なく増していきます。
すると、陰口をたたかれることもあるでしょう。
嫌がらせもあるかもしれません。
言っておきますが、日本はまだまだ出る杭は打たれる社会です。
どんなに言動に一貫性を持たせ、継続してもあなたのことを嫌う人は一定数いるでしょう。
けれど、それらは価値を認められた証拠でもあります。
相手に妬(ねた)みや焦(あせ)りを覚えさせるほどの力をあなたが持っているということに他なりません。
ですから、気にしないことです。
誰の記憶にも残らない…そのほうが私は怖いと思います。
『すごい人のすごい流儀』サンマーク出版
マザー・テレサはこう語っている。
「あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。 気にすることなく、善を行いなさい
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。 気にすることなくやり遂げなさい」
そして、「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」、と。
どんなによいことをしても、中には、必ずそれを批判する人はいる。
どんなに人に嫌われないように愛想よくしていたとしても、全員に好かれるわけではない。
「嫉妬とは、自分よりも優越している者に対して憎しみの心をいだくこと」(塩野七生)
『好きの反対は嫌いではない』
反発や批判は気になっている証拠。
すべての人に好かれることはできない、と覚悟を決めたい。 |
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