2015.6.12 |
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プラスの感情は人生を勝利に導く |
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精神科医、斎藤茂太氏の心に響く言葉より…
「ガンなどの人でさえ、祈りによれば一瞬にして快癒(かいゆ)する」
いかがわしい団体の口説(くど)き文句とも思えるようなこの言葉、実はノーベル賞受賞の医学者アレキシス・カレル氏の著書の一節である。
もちろん、誰でも祈れば治るというのなら薬も医者もいらない。
そんなことはない。
しかし、事実は小説より奇(き)なりで、数年間立つこともできなかった人が、牧師の言葉で歩いたこともあったし、奇跡的に重病から立ち直る人もあったというのだ。
彼らが特別な体質だったというわけではなさそうだ。
考えられることは宗教を信じる人のもつ強烈な精神作用や、解明されていないなにかの力が働いたのかもしれないということ。
つまり、人間の中には言葉でいいあらわせない可能性が秘められているということである。
免疫力は、「この状況は自分の意思でコントロールできない」と思っているときに弱くなるという。
逆に、「治してみせるぞ」という意欲的な生活をしていると免疫力が高まり、快方に向かうことがある。
信仰は、そのためにも役に立つようだ。
こんな話もある。
ある食品会社の社長で、医学博士でもあるO氏は、幼い頃から22年間もぜんそくで苦しみ抜いてきた。
ようやく氏は病気を克服したのだが、きっかけになったのは、
「思い込むことは必ず実現する」
「プラスの感情は人生を勝利に導く」
という考え方との出会いであった。
具体的には「治る、治る、きっと治る」と念じ、起きてから寝るまで唱えつづけることと、想像力をよいほうに向ける努力をした。
自分がターザンになったつもりで、勇敢で楽しげな想像にふけったそうだ。
活動的な英雄に自分の姿をダブらせたのであろう。
3週間後、ぜんそくの自覚症状が消えたという。
プラスの感情が病気を抑えこんだのであろうか。
だからといって、ぜんそくの人が誰でも呪文のように「治る」「治る」と唱えたり、想像の中で強い英雄になったりすれば、病気が治るというような単純なものではないだろう。
病状は人それぞれだし、治療法もそれぞれだ。
しかし、共通していえることは、前向きな人は病気に強いということである。
「治る」「治る」と唱えつづけることも、そのあらわれである。
前向きになることは、楽しく安らかに生きるための基本姿勢である。
これを失ったとき、人は、より多くのマイナスや不幸と出会うようになるのかもしれない。
『いい人生には「生き方のコツ」がある (だいわ文庫)』だいわ文庫
「脳は主語を理解できない」、とはよく言われることだ。
つまり、人に向かって「ダメなヤツだ」とか、相手の失敗を願って「失敗しろ!」と念じたり、しゃべったりしたら、それは自分に向かって「ダメなヤツ」、「失敗しろ!」と念じていることになってしまう、ということ。
脳は他人なのか自分なのか主語を理解できないので、他人に言った悪口や非難がそっくり自分に言っているのと同じことになってしまう。
これは悪口や非難だけではなく、自分の生き方すべてに言えること。
病気においても、人にグチや泣き言を言ったつもりなのに、それはそっくり自分に言い聞かせていることになる。
「痛い」「辛い」「まいった」と言えば、より一層、「痛く」なり、「辛く」なり、「まいって」くる。
そうではなくて、自分の健康な姿をイメージし、明るい言葉、幸せな言葉を発する。
「幸せ」「ツイてる」「ありがとう」「感謝します」「うれしい」「楽しい」、と。
「プラスの感情は人生を勝利に導く」
明るく前向きで、プラスの言葉を発する人でありたい。 |
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