2015.6.7 |
|
プレゼンの技術を磨く |
|
パナソニック創業者、松下幸之助氏の心に響く言葉より…
何の商品でもそうですが、それをお客さんに買っていただくということは、なかなかむずかしいものです。
「この品物は非常にすぐれたものですから、ぜひ買ってください」と言うだけで買っていただける場合もないわけではありません。
しかし、普通はそれだけでは、なかなかうまくいかないのが商売です。
ですから、商売に熱心な人は、どういうふうにすればお客さんに商品を買っていただけるかを常に考え工夫し実行しているのです。
私は、サラリーマンの場合も、いうなればこの売りこみの技術というものを大いに考えなければならないと思います。
つまり、自分が考えた一つの案が、仕事を進めるにあたって、会社として、あるいは職場において採用してもらえるか不採用になってしまうかということは、もちろんその案自体の内容にもよりますが、やはりある程度は、売りこみ方いかんによるのではないかと思うのです。
いいかえれば、上司をして、あるいは社長をして「君の提案はすばらしい、今までのものは廃棄しても君の案を用いたほうがよいようだ」ということで、喜んで用いてもらえるような説明の仕方、理解を得られるような接し方、これがサラリーマンとして大切な一つの技術といえましょう。
もし、そのような技術にそれほど関心をもたず、みずから説得の工夫をすることもなしに、「うちの上司や幹部は話が分からない」と投げ出してしまったり、不平満々であるならば、自分にとってはもとより会社にとっても大きなマイナスです。
商品を売りこむについては、やはり商品のもつ力が第一にものをいいますが、いくらいい品物でも、売りこみ方が下手では、うまく売れていきません。
日々のサラリーマンとしての仕事においても、まず基本的に大事なのはそれぞれの人がもつ実力で、だから、これを養い高めていくことに、絶えざる努力をしていかなければならないことはいうまでもありませんが、それとあわせて、自分の実力を誠心誠意訴え、理解を得ていくという技術を工夫することもきわめて大切だと思うのです。
『人生心得帖/社員心得帖 (PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー)』PHPビジネス新書
相手や聴衆に分かってもらったり理解してもらうという、情報を的確に伝える技術のことを、「プレゼンテーション」という。
プレゼンテーションの達人と言われたのが、アップルのスティーブジョブズ氏だ。
「物事の本質はシンプルな言葉で表現できるし、シンプルにしないと聴衆に伝わらない」
難しい専門用語は使わない。
最初に結論から話す。
テーマを一つにしぼる。
等々、スティーブジョブズのプレゼン手法はとてもシンプルだ。
これは、講演でも同じことがいえる。
たとえ話が上手だったり、わかりやすい言葉で話す人の講演は印象に残る。
現在ほど、人に伝える技術、分かってもらえる技術が必要とされている時代はない。
なぜなら、情報は毎日洪水のように氾濫し、誰もが様々な情報に接する機会がある中で、自分のプレゼンを選んでもらわなければならないからだ。
そして、大事なことは、「伝わらなかったら無いのと同じ」ということ。
どんなに価値ある商品でも、情報でも、それが相手に伝わらなかったら、それは無いのと同じ。
プレゼンの技術を磨きたい。 |
|
|