2015.5.14 |
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人生を楽しんでいる人 |
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東海大学医学部教授、川田浩志氏の心に響く言葉より…
近年、多くの調査研究がなされてきました。その結果、
「人生をより前向きにとらえ、楽しんで生きている人のほうが、そうでない人よりも病気になりにくく長生きである」
ことが明らかになってきたのです。
2009年に、日本の全国規模の研究グループが、「人生を楽しんでいる意識」と、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの心臓病との関連性について調査し、米国心臓協会の専門誌に報告しました。
これは、40〜69歳の日本人男女に、自身の「人生を楽しんでいる意識」を0(低)、1(中)、2(高)の三段階から一つ選んでもらい、それぞれの数字を選んだ人々の病気の発生率や死亡率について、その後何年も追跡調査して得られたものでした。
結果として、「人生を楽しんでいる意識」の高い男性は、脳卒中や心臓病による死亡リスクが、「人生を楽しんでいる意識」の低い男性の約半分であることがわかりました。
その後、ロンドン大学のアンドリュー・スティプトゥ教授らの研究グループは、60歳以上の男女を対象に、生活や人生を楽しんでいる意識をもう少し詳しく調査して、それらと将来の身体機能との関連性について検討してみました。
彼らは、以下の4つの項目:
@自分がすることを楽しんで行っている
A他人といることが楽しい
B振り返ってみると自分の人生は幸福だ
C最近エネルギーに満ちているように感じる
について、「まったく自分にあてはまらない」という場合を0、「ほぼあてはまる」という場合を3として、0〜3の数字を被験者に選んでもらいました。
そして、四つの項目について選んだ0〜3までの数字の合計と、人々のその後の身体機能の変化との関係性について、追跡調査を行いました。
その結果、四つの項目すべてに3を選んだ(つまり合計が12の)「人生を楽しんでいる意識」の高い人たち(男性の21%、女性の21%)は、数字の合計が9以下であった、人生を楽しんでいる意識の比較的低い人たち(男性の23%、女性の23%)に比べて、将来、身体機能になんらかの問題を抱えて日常生活に支障をきたす人の割合が明らかに少ないことがわかりました。
つまり、人生を楽しんでいる人ほど健康寿命が長く、その分、人生をさらに長く楽しめる、ということが示されたのです。
日常生活を楽しんでいる意識が、心臓病や脳卒中による死亡リスクなどと関連のあることは先に述べました。
人と話すことを楽しみ、人と積極的に接している人は、将来、認知症になりにくく、死亡リスクの低い傾向が認められます。
幸福を感じながら生きている人は、そうでない人に比べて長生きである傾向が、さまざまな調査で認められています。
エネルギーやバイタリティに満ちて前向きに生きている人は、心臓病などの病気になりにくく、病気になっても身体機能が低下しにくいことが以前から知られています。
人生を楽しむと、さらに心身の健康度が高まって、いっそう楽しい人生になるというカラクリが、私たちのなかに秘められていたなんて、なんて素晴らしいことでしょう。
「人生楽しみ度」を、英語の Enjoyment of Lifeを略して“EOL”と名付けました。
そして、
@EOLが高い人は、活動的である
AEOLが高い人は、良い習慣を形成しやすい
BEOLが高い人は、体内のネガティブ物質の影響を受けにくい
ということが分かりました。
幸せになるとよく動くようになる、ということが、近年のビッグデータの収集・解析技術の進歩によってわかってきました。
そして、それは日常の動作にも、移動する距離にもあてはまるのです。
『医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない』ディスカヴァー
人生を楽しんでいる人は、人生が楽しくなるような言葉を使っている。
明るく、前向きで、肯定的で、積極的で、元気が出るような言葉…
うれしい、楽しい、愉快だ、ついてる、しあわせ、ありがとう、感謝してます等々、というような言葉。
その逆の言葉、ついてない、不平不満、グチ、泣きごと、悪口、文句、心配ごと等々、を使えば使うほど、人生は暗く、悲しく、つまらないものとなる。
聖書にある言葉、「始めに言葉ありき」。
言葉が変われば行動も変わり、生き方も変わる。
人生が楽しくなるような言葉を使い続けたい。 |
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