2015.5.10 |
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成熟国家日本 |
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榊原英資氏の心に響く言葉より…
1990年以降に成熟期に入ってきた日本は、「成熟国家」という観点から見れば、世界のトップランナーであることがはっきり認識できます。
成熟国家の主な要素は、環境、安全、健康などでしょう。
日本の環境のすばらしさは世界有数です。
国土の7割近くが森という世界でも珍しい豊かな森の国。
ヨーロッパの3倍雨が降り清流に恵まれた水の国。
しかも世界三大漁場の一つという極めて豊かな海に囲まれた国。
とても温暖で美しい四季がめぐってくる国。
こんなすばらしい自然に囲まれた国はないのです。
平和で安全という意味でも、日本は世界有数です。
大陸と荒波で隔てられて外敵の侵略がほとんどなく、国内も政治・宗教の見事なバランスを保った天皇制システムや、豊かな分権システムによって、内乱のない安定した時代が長く続きました。
だからこそ、文化や伝統が連続し、世界に誇るユニークな文化が生まれました。
日本人が世界でもっとも健康な国民であることも、すでに強調しました。
平均寿命が世界でもっとも長いだけではなく、平均寿命から自立した生活ができない介護年月を引いた健康寿命も世界のナンバー1です。
豊かな自然のなかで伝統的な生活を維持しているところほど寿命が長いようで、いにしえの都、京都と奈良は国内ナンバー6、7と高い平均寿命を誇っています。
成熟国家の基本的な要素である環境・安全・健康のいずれも世界のトップですから、日本は成熟国家として世界のトップランナーなのです。
成熟国家というと、私たちはヨーロッパの国ぐにを思い浮かべます。
石造りの街並みが、いかにも成熟した感じですし、私たちが使っている文物(文化の所産としての学問・芸術・宗教・法律・制度)の多くがヨーロッパ起源だからでしょう。
しかし、日本は経済的にもヨーロッパに匹敵する豊かな国で、環境・安全・健康面でもヨーロッパを圧倒するパフォーマンスを示しています。
つまり、成熟国家としての日本はヨーロッパをしのぐまでになってきているのです。
成長シンドロームから抜け出て「成熟」という観点から日本を見れば、私たちは悲観する必要などまったくありません。
それどころか、大いに楽観的になって日本を世界に誇ってよいのではないでしょうか。
事実、多くの日本人にとって、日本はさまざまな意味でとても住みやすい国です。
気候も温暖で、国土も豊かで安全、食べものもおいしい…。
こんなすばらしい国は、世界広しといえども日本以外にはほとんどないといってよいのです。
そんなすばらしさを最大限、戦略的に生かしていく生き方こそが、いま日本人に求められているのではないでしょうか。
『仕事に活きる 教養としての「日本論」』アスコム
成熟するということは、大人になること。
「いつまでも子供でいたい…。無邪気な男は楽しくて魅力的。でもいずれ困る時が来る。
腹をくくってきっぱりと、自分の幼児性を捨てなければいけない時が来る」
とは、美輪明宏さんの言葉。
幼児性とは、自律していないということ。
自律していない人は、自分のことを棚にあげて、人のせいにしたり、非難したり、威張ったり、威嚇(いかく)したり、居丈高になったり、すねたり、いつまでも恨んだり…
つまり、自分の感情や気分のコントロールができない人。
国も人と同じ。
幼児性をきっぱりと捨て、成熟した大人になりたい。 |
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