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2015.5.1

有名無力、無名有力

神渡良平氏の心に響く言葉より…

安岡正篤先生は勉強会でよく「有名無力、無名有力」と言われた。

有名無力、無名有力とはこういう意味だ。

「若いときには誰もがひとかどの人物になりたい、立派な会社を作り上げたいと一所懸命努力をします。

だんだん頭角を現し、人々の評価もいただけるようになって、名が上がって有名になってきます。

会社の規模も大きくなってきます。

そうなるとちょっとした名士になり、講演を頼まれたり、新聞に原稿を書いたり、テレビに出演したりして、だんだん忙しくなってきます。

そしていつのまにか自分を掘り下げる時間すらなくなって、有名ではあるけれども無力な人間になり下がることが多いものです。

しかし、世の中には、新聞、雑誌に名前が載るわけではない、テレビのスポットライトがあたるわけでもないけれども、頭が下がる生き方をしている方がいらっしゃる。

無名だけれども有力な生き方をしていらっしゃる。

私は時間がなくなって自分を失ってしまうよりも、無名のままでいい、自分を高め、磨く時間を持てる者でありたいのです」

『下坐に生きる (Chichi‐select)』致知出版社


実力がなくて有名になってしまった人は悲劇だ。

いわゆる一発芸などで有名になったタレントなどに多い。

人気絶頂のときは、寝る暇もなくいくつかの番組に出演依頼がある。

しかし、出れば出るほど、引き出しは空っぽになり、ついには底をつく。

そして、「有名無力」となる。

反対に、有名になろうともぜず、コツコツと自分を磨き、徳を高める努力をしている人には真の実力がある。

実力があれば自ら宣伝せずとも、頼まれごとの多い人生となる。

「無名有力」の人だ。

「無名有力」をめざしたい。



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