2015.4.28 |
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耐える力 |
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鍵山秀三郎氏の心に響く言葉より…
日本にもいろいろな災害が起きます。
しかし、その災害を災難にしてしまう人と、その災害を幸運のもとにする人とがあります。
災害を幸運のもとにして伸びていくというのはどういうことか。
たとえば、大水害にあう。
これは確かに大変なことです。
しかし、持っているものすべてを失ったりすると、生活レベルを落とさざるを得ません。
なぜなら、生活レベルをどんどん落としていかないととても耐えきれないから、生活のレベルを落としていきます。
そして、それに耐えられるようになる。
するとそのことに耐えられる気持ちだけは体に残るから、その後がよくなっていくという人が多いのです。
農村でも、水害とか日照りが昔は多くて、そういうものに遭って、それで駄目になってしまう人と、それを糧にする人とがありました。
つい最近、熊本県の八代というところへ行ってまいりました。
そこで、松田喜一さんと言う方の話を聞きました。
松田さんは、農産物でも何でも値段が下がれば下がるほどいいと言ったそうです。
そんな馬鹿な話はありません。
普通、値段が下がったら大変だろうと思いますが、なぜそのように言われたのか。
「値段が下がれば下がるほど、それに耐えられるように自分の生活レベルをどんどん落としていくから、物事に耐える力ができる。
しかも、そういう厳しいときは人の話でも何でもすべて勉強になる」
と言われたそうです。
そして、もう極限まで下がっていくと、競争相手がいつの間にかいなくなっています。
だから、市況が持ち直ったときは、生活レベルの低いことに我慢ができる状況の中でよくなるわけですから、その後はもうよくなる一方だと、こういうお話でした。
今、ともすると、政府が経済政策などのてこ入れをしてくれなければもう生きていかれないとか、援助を求める声が非常に高いわけですが、援助を求めるよりも、そいう状況に耐えられる体質をつくっていくということがとても大事だと私は思います。
『小さな実践の一歩から (活学叢書)』致知出版社
農業での天災に限らず、企業でも、この「耐える力」については同じことが言える。
たとえば、200年以上続いている老舗は日本には3000社以上存在し、世界全体総数の40%を占めているといわれる。
この200年の間には、明治維新、日露戦争、第一次、二次大戦、そして、経済恐慌や、数多くの地震、津波等の天災があり、それを乗り越えてきたということ。
変化に対応する能力とは、自らが変わることができる「自己変革能力」と、理不尽さに耐え乗り越える「耐える力」。
耐える力があれば、災難に遭ったときに、愚痴や不平不満を言わずに、己を高めることができる。
耐える力を身につけたい。 |
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