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2015.4.14

世のため人のために

神職、西邑清志氏の心に響く言葉より…

日本全国の神社で奏上される祝詞(のりと)に「神社拝詞(じんじゃはいし)」があります。

この祝詞の中にある「世のため人のために尽くさしめ給(たま)へ」という言葉は最も大切な言葉です。

「個人主義」が、いま日本国内に蔓延(はびこ)ってしまっております。

個性を大切にすることはもちろん重要です。

ただ、個人主義というのは、「私が私が」や「自分が自分が」という、あくまでも自分の主張を貫き通す、いわゆる「我を通す」自分本位な個人主義の日本人が多くなってしまっていることです。

「他の人よりも自分がよくなりたい」

「自分たちだけが、よくなればいい」

ということも格差社会の風潮を煽(あお)っているようにも思えます。

また、他人を陥(おとしい)れたり、騙(だま)したり、嘘をついたり、悪口を言ったり、不平や不満を言ったり、愚痴を言ったりしていると、それはやがて自分に返ってきてしまいます。

「自分は自分。他人は他人」というのは、冷たいというか寂しいですね。

最近のお祭りでは、お神輿(みこし)を担(かつ)ぐとき「はい、はい」や「そいや、そいや」などの掛け声でお神輿を担ぎます。

戦前の日本では、お神輿を担ぐときの掛け声は「わっしょい、わっしょい」でした。

「わっしょい」とは、みんなの輪(わ)が一緒になる《輪が一緒になる》輪一緒い(わっしょい)なんだと。

『あなたの運がよくなる! 神さまへの願いの届け方』かんき出版


城野宏氏が提唱した脳力開発の「変革の指針」の中に、こういう言葉がある。

「同志と協力者を一人ずつ増やしていくことが変革の過程である」

「世のため人のため」に生きる人と、その反対の「自分の利益のため」に生きる人とがあるが、「自分の利益のため」だけに生きる利己的な人には、同志や協力者は現れることはない。

自分のことしか考えない「利己」の人を応援する人はいないからだ。

また、「和して同ぜず」という言葉もあるように、「和」とはただ仲良くするだけではない。

協調はするが主体性を失わず、道理に外れたようなことはしない、ということ。

誰からも好かれ応援される人は、世のため人のために動く「利他」の人。

利他の人でありたい。



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