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2015.4.4

粋な生き方

医学博士、帯津良一氏の心に響く言葉より…

医師になって半世紀以上になります。

大学病院、都立病院に勤務したあと、独立して自分の病院をもちました。

場所は違えど、ずっと、がん治療の現場にいました。

数えきれないほどの患者さんとお会いしてきました。

最近で、印象に残っているのは、乳がんが深刻な状態になっている60代の方です。

一通り診察して、「お大事に」と握手をしたあと、彼女がこんなことを言いました。

「私、60年以上生きてきましたけど、先生ほどチャーミングな人にお会いしたことありませんわ」

私はうれしくなって、こんなこと言われたよと、周囲に大いに自慢しました。

しかし、考えてみると、とても厳しい病状であることは本人もわかっています。

いのちにかかわる絶体絶命のピンチです。

とても人のことを「チャーミング」だと、笑って言える状況ではないはずです。

それにもかかわらず、こんなしゃれたことを、帰り際にさらりと言えて、その言葉によって診察室の雰囲気ががらりと明るくなったのですから、この人は只者ではないと、私は感心しました。

こういう人をどう表現すればいいだろうと考えていました。

あるとき、ぱっと頭に浮かんだのが、「粋」とか「小粋」という言葉でした。

哲学者の九鬼周造さんの『「いき」の構造』(岩波文庫)という本によりますと、粋というのは、外国にはない日本独特の感覚で、あかぬけしていて、はりがあって、色っぽい様だそうです。

私流に解釈すれば、「あかぬけする」というのは何事も正面から受け入れる覚悟のようなもの。

「はりがある」というのは、生命の躍動、生命エネルギーがあふれている様です。

「色っぽさ」というのは、人を敬い思いやれる気持ちではないでしょうか。

この患者さんは三つとも見事に当てはまります。

今、この方のように、「粋」と言える人が少なくなったように感じます。

多くの人が、自分のことで精いっぱいです。

何か問題を抱えている場合は、その問題をどうやったら解決できるかで頭はパンパンに膨らみ、人のことなど構っていられません。

これでは、人と人とのかかわりもますます薄くなり、世の中が世知辛くてぎすぎすしてきて、何とも面白くなくなってしまうのも仕方ないかと思います。

粋に生きるというのは自分自身の生命エネルギーを高めることです。

粋な人は、いつも生き生きしています。

病気であっても健康であっても、お金がなくてもあっても、豊かなこころで日々を送っています。

そして、そういう人が増えれば、社会の活力が高まっていき、お祭りのときのように、活気があって面白おかしく笑って過ごせる世の中になっていきます。

世の中が活気づけば、その影響を受けて、個人のパワーもさらに高まります。

そういう好循環ができるのです。

『粋な生き方 病気も不安も逃げていく「こだわらない」日々の心得』幻冬舎ルネッサンス


がんの心理療法の大家、カール・サイモントン博士は、帯津氏の病院の講演でこう語ったという。

「治るんだという気持ちはいくら強くてもいいでしょう。でも、その脇の方でいいですから、いつでも死ねるという気持ちをもってほしいのです」

強い思いは大切だが、執着しないで、かたくななこだわりを手放すということ。

粋な人は…

仕事が大変でも、大変だとは言わない。

いばったり、自慢話をしたりしない。

愚痴や、不平不満を言わない。

どんなに自分が大変なときでも、人のことを思いやれる優しさを持っている。

つまり、執着をさらっと手放せる、余裕のある人。

粋な生き方ができる人でありたい。



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