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2015.3.11

意識のステージを上げるには


佐藤伝氏の心に響く言葉より…

私はカレーが大好きで、ランチにはよくスープカレーを食べます。

その日は、仕事で訪れた慣れない街で、美味しそうなカレー屋を見つけて飛び込みました。

さて、ランチタイムのカレーセットを頼んで待っていると…

待てども待てどもカレーがきません。

明らかに私よりも後から注文した人たちがすでに食べ始めているのに、私の席にはカレーが運ばれてきません。

それどころか、食後に出てくるはずのコーヒーが運ばれてきてしまいました。

腹ぺこで、一刻も早くカレーにありつきたい気持ちをちょっとなだめて、私はこう自問自答してみました。

「なんでだ?どういうことだろう。しばらくこの店にとどまっていたほうがいいということだろうか?」

考えているうちに、ランチタイムは終了した様子です。

ここで、はじめて私はウエイトレスさんに聞いてみました。

「あの、私のカレーは?」

「キャーッ!すみませ〜ん!!」

私が黙ってずっと待っていたことに気づいたウエイトレスさんは、平身低頭で、すぐにオーナーを連れてきました。

「誠に申し訳ありません。いまからすぐにつくらせていただいてもいいですか?」

「もちろんです。お願いします」

こうして、私だけのために新たにカレーをつくってくれました。

その間、オーナーといろいろおしゃべしていると、オーナーの親友という人も現れました。

こうして三人で話しているうちに、そこからビジネスにつながる話が生まれたのです。

「そうか、こういうチャンスをいただくために、カレーが出てこなかったんだな。ありがたいな。僕の分を忘れたウエイトレスさんに感謝だなあ…」

昔の私なら、間違いなく途中で怒鳴っていたでしょう。

「なにやってんだよ。俺のカレーはいつになったら出てくるんだよ!」

「だいたいコーヒーは、食後っていったじゃないか!」

こうした怒りの波動で接していたら、ウエイトレスさんは、たしかに急いでカレーを持ってきたかもしれませんが、それでおしまい。

ビジネスの話など、いいことは起きません。

なぜなら、完璧なる宇宙のシナリオを、怒りの波動(ノイズ)でもって自ら乱して書き換えてしまっているのですから。

宇宙のシナリオを信じられれば、本来、起きることはすべて楽しいことだとわかるので、いちいち怒らないですみます。

一見いやなことが起きているようでも、それは、じつは楽しい結果をもたらすためのことだとわかっているからです。

嬉しいことに感謝するのは当たり前ですが、いやなこと、困ったことにも感謝できるようになると、意識のステージが格段に上がります。

しかし、そうわかっていても、なかなかいやなことには感謝できません。

しかし、そこで、いつまでも怒りの気持ちに引きずられずに、

「なんでだ?なにか意味があるはずだぞ?」

「なぜなの?この出来事の意味はなにかしら?」

と思うことでワンクッション置くことができます。

私たちが行きつきたいのは、どんなことにでも感謝できる自分です。

怒った事象がなんであれ、結果的に大感謝・大満足の境地にいければいいわけです。

そこに持っていくためのワンクッションとして、意味を考える時間が必要なのです。

このタイムラグがないと、マイナス感情が即、マイナス行動に直結してしまい、後悔と苦労の多い人生を歩むことになってしまいます。


『「感謝の習慣」で人生はすべてうまくいく! (PHP文庫 さ 41-1)』PHP文庫


嫌なことや困ったことが起きたとき、多くの人は、怒ったり、嘆いたり、落ち込んだりしてしまう。

しかし、時間がたってみるとわかるが、案外それは自分にとっての学びだったり、そのことがあったから自分が成長できた、など良い面もあることに気づく。

物事の「見方」はとても大事だ。

そこに、良いところや明るい面を見るか、悪いところや暗い面をみるか。

良い面を見るため必要な言葉が、「きっと、なにか意味があるはず?」。

この世に起こるすべてのことに何か意味がある、と思うなら、すべてのことは勉強となり、自分を高める「磨(みが)き砂」となる。

カーッとなって怒ってしまっては、人格はいつまでたっても向上しない。

「意識のステージを上げるには」

すべてのことに意味があると思い、感謝の気持ちで生きていきたい。


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