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2015.3.10

多才力


櫻井秀勲氏の心に響く言葉より…

最近の企業は常に揺れ動いています。

もちろん企業ですから、新しい分野に入っていくのは当然ですが、それとも違います。

中心事業そのものがなくなってしまうか、縮小されてしまうことも珍しくありません。

セイコーエプソンが液晶ディスプレイを中核事業から外したり、パナソニック、ソニーもテレビ事業を縮小するでしょう。

シャープは外国企業に助けを求めました。

任天堂もゲームソフトで大苦戦です。

これらは一例に過ぎません。

大企業といえども世界の動向に揺れたり、主たる事業が不安定になります。

こうなってくると、大学で専門課程を学んで就職したとたん、勉強してきた分野がなくなってしまう、ということもあり得ます。

私にいわせれば、専門性がいつなくなるか、見当もつかない時代に入ったのです。

このことをしっかり考えていかないと、あなた自身、その直撃を受けることになるのです。

これまでも、こういうことはいくらでもありました。

たとえば全国で、専門店が2万店舗を切った業種はなくなっていく、といわれていました。

和服屋から下駄屋、駄菓子屋、炭屋、煙草屋などは、こういった変化の中で、次第になくなっていった業種でした。

しかしこれらは、近代化といった進歩の過程での話で、誰にもわかっていたものです。

ところが現在は、明らかにわかっている理由以外に、不意打ちともいうべき大揺れがやってくるようになってきました。

同様に、テレビを見ていると、いつの間にか人気者が変わっていきます。

この数年間だけでも、なべやかん、つぶやきシロー、テツandトモ、ふかわりょう、ヒロシといったお笑い芸人が、いなくなっています。

ところが、お笑いから出ても、司会役で長く活躍し続ける芸人も少なくありません。

結局それは、芸の広さと知識量の差でしかありません。

そのトップに立つのが、たけしです。

漫才からスタートして、いまや司会者、俳優、映画監督、作家、芸術家として、世界的なエンターティナーといっていいでしょう。

彼と較べるのはかわいそうですが、ビートきよしは、ビートたけし時代の相棒でした。

しかし彼の略歴を見ると、俳優、お笑い芸人の二つしかありません。

以前の芸人中心の時代であれば、これでもやっていけましたが、いまのテレビは、東大、京大卒の芸人もいるくらいで、視聴者も多種多彩です。

それこそAKB48だから若い世代のファンが多い、とはかぎらなくなっています。

同じように政治家でも、男の有権者によって当選する時代ではありません。

いわば文化が混合、混在する時代になってきました。

同様に、作家にしても、小説だろうが、ビジネス書であろうが、スピリチュアル本であろうが、何でもこなす上に、講演やセミナーで大勢のファンを集める作家のほうが、いまの時代には合っているのです。

こなせるものであれば、イヤとはいわずに何でも挑戦するタイプこそが、時代の寵児として、長くやっていけるのです。

『多才力』東京堂出版


櫻井秀勲氏はこう語る。

『社会を生き抜き、成功する人は「多才力」の持ち主だった!

ひとつを究めても、その寿命は短い。異性、異世代、異業種と交わって、新しいものにチャレンジ。

常に自分を高め、新しい能力を自分のものにしていこう!』(同書より)

急速に大きくなったものは、急速に小さくしぼむ、というのは世の常だ。

ビジネスにおいても、テレビのタレントの世界でもそれは同じ。

大流行や、大ヒット、大ブレークは、いつかなくなっていく。

そのために必要なのは、多才力。

個人でも企業でも、自分の本業以外の様々な分野に興味を持ち、それを究めていく。

すると、別の分野で柱ができ、それがいつか本業を助けることになる。

多才力を身につけたい。


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