2015.2.26 |
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いいことだけを覚えている |
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マーティン・セリグマン氏の心に響く言葉より…
幸せ者=能天気という見解には根拠がある。
プラグマティズム哲学の創始者であるC・S・パースは1878年の論文で、「人が何かを考えるのは問題を解決するときだ」と述べている。
つまり私たちは、何か問題が起きるまでは、考えることも気にかけることもしない。
とくに障害がなければ、能天気に人生というハイウェイを進むだけで、小石につまずいて初めて考えるのだと。
それからちょうど100年後、私の大学院の優秀な教え子であるローレン・アロイとリン・アブラムソンが、ある実験でパースの学説を立証した。
一方の学生グループにはボタン操作でライトの点滅がコントロールできる状態を、もう一方にはボタンの操作ではコントロールできない状態を設定して、それぞれのメンバーに、どの程度まで点滅をコントロールできたと思うかを自己申告させたのである。
気分が落ちこんでいる学生の調査結果は予想のとおりだった。
彼らはコントロールできたかできないかの判断を正確に申告した。
ところが、ハッピーな学生の調査結果は予想外だった。
コントロールできたときの判断は正確だが、まったくコントロールできなかったときでも、35%の学生はコントロールできたと判断したのだ。
つまり、気分が落ちこんでいる学生はハッピーな学生よりも、失敗の経験を冷静に記憶し学習するというわけだ。
ハッピーな人は、良いことは実際に経験した以上に覚えているが、悪いことはすぐに忘れる。
成功と失敗の評価は平等ではない。
成功したら、それを最後まで何もかも上手に遂行し、失敗してもさっさとあきらめて、大したことではなかったと考える。
ところがうつ状態の人は、成功と失敗を平等に評価し、良いことも悪いことも正確に覚えてしまう。
幸せな人が能天気に見えるのはこのためだ。
『世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』アスペクト
明るく楽しい人は、軽い。
だが、暗くてつまらない人は、重い。
いつも楽しそうにしている人には、軽さがある。
だから、軽く見られてしまい、能天気にも見られる。
能天気という言葉は、通常、あまりいい意味では使われないが、軽いからこそ行動が俊敏(しゅんびん)になる。
フットワークが軽い人は、楽天的で、前向きだ。
「ハッピーな人は、良いことは実際に経験した以上に覚えているが、悪いことはすぐに忘れる」
いつも、明るいこと、楽しいことに目を向ける人でありたい。 |
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