2015.2.24 |
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うれしい、たのしいを見つける |
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中村天風師の心に響く言葉より…
古い日本の歌に、「おもしろき事もなき世を、おもしろく住みなすものは心なりける」というのがあります。
さらに西洋の哲学者オリヴァ・インデス・ホルムスの言葉に、
「およそ楽観歓喜の観念は、神が人間の生命をより新しく甦(よみがえ)らせるために与えた霊液(れいえき)とも言うべきもの。これに反して憂愁(ゆうしゅう)、煩悶(はんもん)、恐怖、憤怒(ふんど)、悲観、苦労というような消極的観念こそは、命を腐らす毒錆(どくさび)のようなものである」
というのがあります。
つらつらとこの歌とこの言葉を照らし合わせるとき、そこに相通ずる人生哲学と人生科学とを発見するのであります。
わかりやすく言えば、たのしい、おもしろい、嬉しい、という思いが心の中に生じた時ほど、朗(ほが)らかな生きがいを人生に感じられる、ということなんです。
そして、それがどんなに健康にも運命にも、はかりしれない大きな効果を与えるかわからない、ということに思いいたるとき、よりいっそうの貴い価値を感じるのです。
どんな名医や名薬といえども、たのしい、おもしろい、嬉しい、というものにまさる効果は絶対にないんです。
これ、私は私の長年の経験で断言いたします。
わかりやすく言うとね、朝おきた。
頭が痛い。
普段なら「やれ薬だ、医者だ」、なんて騒いでるのに、そこへ好きな人がひょっこり来た。
そうすると頭が痛いのもなにもかも忘れて、そりゃもう夢中になってべらべらおしゃべりしたり、抱きついたり…。(笑)
嬉しくて楽しいもんだから、頭が痛いのすっかり忘れて治っちゃってますよ、その間。
これ、どんな名医や名薬にもまねできない芸当です。
これ観念の作用です。
あなた方が、「ああ、たのしい」「ああ、嬉しい」って思ってると、もう、イキイキと生き甲斐のある人生に生きていられるんですよ。
病なんかも忘れて。
逆に「ああ、いやだな」「ああ、つまんないな」なんて思って生きてると、熱はでるは頭は痛くなるわ、もうだんぜん、生き甲斐のない人生になってしまうんです。
もうおわりでしょう。
人生は心であり、観念であります。
これこそが、あなた方の人生を極楽にもし、また地獄にもすることができうる、唯一のものなんです。
いいですか、よくお考えください。
「極楽だ、地獄だ」と感じているのは、あなた方の心でしょう。
あなた方の心が地獄だと感じれば地獄になってしまうんですよ、あなた方の人生が。
ですから何かがあれば、「ああ、たのしいな」「ああ、うれしいなあ」って思うようにすればいいんですよ。
『君に成功を贈る』日本経営合理化協会出版局
毎日、そんなに面白いことや楽しいことなどそうそうあるものではない、という人は多い。
しかし、「面白いことなどめったにない、つまらないことの方が多い」と言うなら、その通りになっていく。
なぜなら、心はその言葉に従がって、つまらないことを探すようになるからだ。
同様に、今より若い頃や学生の頃の方が断然楽しかった、できれば昔に戻りたい、という人がいる。
今が一番楽しいと思えない人は、日ごろ、楽しいことや面白いことを見つける習慣のなかった人だ。
どんな逆境の中でも、それを楽しんだり、面白がったりできる人はいる。
「極楽だ、地獄だ」と感じるのは自分の心。
どんなときも、「うれしい」「たのしい」「おもしろい」を見つけられる人でありたい。 |
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