2015.2.18 |
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おれが知りたいのは未来 |
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本田宗一郎氏の心に響く言葉より…
よく何でも百科事典のように物知りな人がいる。
ああ、それ知ってる知ってる、というわけで、何かとうるさく口を出すタイプの人である。
そういう人に対して私は、
「ああ、わかった。だけどあんたの持っている知識は、それみんな過去のことなんだよ」
といってやることにしている。
「おれが知りたいのは、未来なんだ」
未来というものはたしかに過去とつながってるものであるから、あくまで便宜上、過去を知るということは必要だ。
ただし、われわれが本当に知りたいのは未来である。
知識というのは、それを使って未来を開拓するのでなければ価値はないのだ。
オートバイを出したとき、これで自転車はみんななくなるといわれた。
自動車が普及して、こんどはオートバイが駆逐されると巷間でいわれた。
ところが実際はどうだろうか。
みんなあたっていないでしょう。
オートバイも自転車も、形を変えてどんどん売れている。
既成の観念にとらわれることほど、人の考えを誤らせ、道をとざすものはないんです。
常識にそった考え方を推し進めていくと、本田技研そのものが立ちいかなくなる。
常識を破る、そのことでしか会社の永続はない。
私はずっとそう確信してやってきた。
『やりたいことをやれ』PHP研究所
エクスマの藤村正宏氏はこう語る。
「『顧客の声を聞いて、新製品を開発しました』などと言っているのは、一見正しいように見えますが、それは会社の存在理由の放棄です。
世の中の売れている商品やお店は、消費者が提案したモノではないということです。
逆に顧客の声を聞けば聞くほど、既成概念にとらわれた、過去の延長線上にある、個性の少ないモノになってしまうのです」
「過去の延長線上に未来はない」とは、よく言われる言葉だ。
馬や馬車しか知らず、車というものを見たこともない人に、「どういう乗り物が欲しいか」と尋ねれば、「もっと早い馬や馬車が欲しい」というだけだ。
知らないことはインターネットで調べれば瞬時にわかる現代においては、百科事典的な知識はほとんど必要なくなった。
「革新的なモノやコトは、過去の延長では生まれない」
常識を疑い、常に新たなことにチャレンジし続ける創造的な人でありたい。 |
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