2015.2.14 |
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気合が入らないときは |
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心理カウンセラー、金藤晃一氏の心に響く言葉より…
「プレッシャーがあるほど燃える」という人もいるでしょう。
私など爪の垢を煎じて飲みたいぐらいです。
ふつうはプレッシャーを感じると、やる気が削がれるという人が大半です。
とくに私のように黙っていても「あれもこれもやらなきゃ」と自分を追い詰めてしまうタイプは、プレッシャーを感じやすいのです。
身体やこころに力が入ってガチガチで、余裕がない状態で臨みますから、うまくいくわけがありません。
人前でスピーチなど、こちらの緊張がもろに相手に伝わって、せっかくのジョークも凍りついて届きません。
あるとき、「やらなければならないことがあるのに、なかなかやる気が出ません。気合が入らないというか。自分がこんなに意志が弱い人間だったなんて、思いもよりませんでした」と、ご相談いただきました。
この人は勘違いをしています。
意志が強すぎて、かえって麻痺してしまっているのです。
緊張が続きすぎて、気持ちが硬いゴムのようになっているのです。
私は、「気合が入らないときは、気楽にいきましょう」とアドバイスするようにしています。
それは私がふだん、自分自身に言い聞かせている言葉でもあるのです。
不登校から学校に戻ると決心した子やその親から、「なにか注意すべきことがありますか」と尋ねられるたびに、私はいつも同じ答えを返します。
「モチベーションだけは上げないでください」
「すぐにでも友達をつくろうとしないでください」
「いきなり朝から行くのではなくて、シレーッと午後から行って、あいさつぐらいはしても、あとは帰ってきたらどうでしょう。そんな感じで一週間も行っていると、周りも慣れてきますから楽ですよ」
「モチベーションは上げるものではなく、勝手に上がるんです」
長年対人恐怖症に悩み、引きこもりを続けていた若者にこの話をしたところ、「ぼくが不登校をしていたときに聞きたかった」といわれました。
私は、これは社会人になるときにも使えるよ、と補足しました。
最初から正社員などと考えないで、まずはバイトで慣らし運転をしてみること。
それで調子を見ながら、次のステップに向かう。
その時も気張らずに、三日ももてばいいかな、ぐらいのモチベーションでやっていく。
低燃費で走る軽自動車のように。
『つまずいたら、いつもの逆をやってみよう』大和出版
金藤氏は「スランプのときは実力以下でいこう」という。
つまり、スランプである現時点のエネルギ―を10とすると、それを職場や学校に行ったとき、いきなり20のレベルでやろうとするからなかなか行動できない。
あえて、今のエネルギーの10を出し切らないで、6とか7でできることをする、というものだ。
そうすると、気分が楽になって行動することができる。
人は、たとえほんの少しであろうと、何らかの行動を起こすことができれば、そこから徐々に解決の糸口が見つかる。
とにかくまず1センチでも前に動き始めることだ。
「モチベーションは上げるものではなく、勝手に上がるもの」
完璧を求めず、気楽に始めれば、人生はきっと何とかなる。 |
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