2015.2.8 |
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グッドリスクをとりなさい! |
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オリックスシニア・チェアマン、宮内義彦氏の心に響く言葉より…
チャレンジするということは、とりもなおさず「リスクをとる」ということです。
失敗を恐れていてはなにごとも始まりません。
リスクをしっかりと受け止めつつ前に進むことで、新しい道が開けます。
一歩前へと踏み出すことに不安を覚える人もいるでしょうが、何もしないでいることこそリスクと考えるべきです。
なぜなら、動かないまま手をこまねいているうちに、世の中の変化に対応できなくなる可能性があるからです。
しかし、やみくもに突っ走ればいいかというとそうではなく、とるべきリスクを見きわめることが大切です。
自分にとって価値のあるリターンが期待でき、仮に失敗したとしてもその経験が将来の糧になるようなリスク、すなわち「グットリスク」をとることを目指していただきたいと思います。
私はいつも社員に「ノーリスクはノーリターンだ」とはっぱをかけています。
もちろん失敗が少なければ少ないに越したことはありませんが、ビジネスに失敗はつきものです。
オリックスは実にいろいろな分野に手を伸ばして成長してきた会社なので、失敗したことのない社員はほとんどいません。
失敗を恐れて何もしないのは最も愚かなことで、リスクをとらずに何もしないでいれば会社が伸びることもできないのです。
ただし、これから背負うとするリスクが「グットリスク」なのか「バッドリスク」なのかを見きわめる能力を身につけることは必要です。
新しい分野に飛び込もうとする社員は、たいてい「このビジネスは絶対に成功する」と信じていいます。
彼らなりに、自分が直面しているリスクは「グッドリスク」であると考えているのです。
状況が悪化して思うような成果を上げられなくても「少しやり方を変えてみます」などと言って、何とか続けようとします。
私としても、ちょっとうまくいっていないからといって、いきなりストップはかけません。
挽回する余地は残しておいてあげたいと考えるからです。
けれど「仏の顔も三度まで」というか、ビジネスで同じ失敗を三度繰り返すということはあってはなりません。
ここで、彼らがとってきたリスクが「グッドリスク」ではなく「バッドリスク」であったことを気づかせ、失敗を今後の糧にしてもらわなければならないと考えます。
それでも、私は失敗を恐れずチャレンジする人の方が好きです。
若い人の中には、失敗を恐れているのか、何かに挑戦する決心がつかないときに、なぜこの仕事ができないのかを実に懇切丁寧に説明するタイプの人がいます。
こういう人との会話は時間のムダですし、うんざりもします。
むしろ、「できないかもしれないが、やってみたいのだ」と力説してビジョンを展開してみせる人の方が、はるかに魅力的だと思います。
『グッドリスクをとりなさい!』プレジデント社
松下幸之助氏にこんな言葉がある。
「とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。そして、やってみることである。失敗すればやり直せばいい」
「世の中には絶対ということはない」とは、よく言われることだ。
「絶対にできない、無理だ」と思っていたことが、いとも簡単に実現してしまうことが、この世には多くある。
「なにか、どこかに解決策があるはず」、と考え、工夫し、そしてやってみた人たちがいたからこそ、すべての変革は成就してきた。
「ノーリスクはノーリターンだ」
チャレンジすることは、リスクをとること。
恐れずに、グッドリスクをとる人でありたい。 |
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