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2015.2.5

ハロー効果とは


脳科学者、中野信子氏の心に響く言葉より…

「ハロー効果」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ハローというのは、“こんにちは”の挨拶ではなくて、キリスト像や、仏像・菩薩像などの後ろに描かれたり設置されたりしている、光背(こうはい)のことです。

その存在が輝いている様子を表現するための、きらきらエフェクト、とでも言いますか。

さて、この光背と同じような効果が、彫刻や絵画だけではなく、実在の人物にもあるのです。

たとえば、「ブラジルでサッカーをやっていた」と聞いただけで、その人のことを、ものすごくサッカーのうまい人なんだと思ってしまいませんか?

実際のプレーを見たこともないのに。

また、たとえば、「東大を卒業している」というだけで、その人は頭がいいんだろうと思ってしまったりしませんか。

実際に話したことすらないのに。

ただ、強力に見えるこのハロー効果にも、賞味期限があります。

300人弱のプロフィール(顔写真・自己PR・経歴・家族・出身地・年齢)を、400人の男性被験者に見せ、各女性のパーソナリティについて想像し、評価してもらう、という実験を行った人がいました。

すると、ほとんどすべての男性被験者が、顔写真を重視して評価をしたのです。

女性が美人の場合、「彼女はお人好しだろう」「嘘をつけないタイプだ」と評価する一方で、不美人に対しては、「頭はよさそうだが、イジワルで計算高いタイプだ」と評価する被験者が多数を占めるという結果になりました。

どうですか?

ひどい、と思うでしょうか?

でも、ハロー効果に賞味期限があるせいで、一番気の毒なのは実は、美人のほうであるという結果になることもわかっているのです。

外見の美しさによる最初のハロー効果として、「美しくて知的で性格も良い」とやたらと高い評価を受けてしまうと、その後、どんな些細なミスをしても、評価が下がり続けることになります。

最初の期待が大きいと、必要以上に幻滅されてしまう。

これを「ロス効果」と言います。

一方、外見がさほど美しいわけではないために、性格も良くはないのだろうと評価された女性に関しては、逆の効果が働きます。

どんなに小さなことでも、振る舞いの美しさや、ちょっとした気の遣い方で、評価が上がっていくのです。

ごちらは、「ゲイン効果」と呼ばれています。

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期待値が高いときは、少しの失敗やミスでもそれが必要以上に目立って見える。

例えば、多くの人は、予約の取れない評判のレストランにようやく行くことができたとき、些細なミスでもひどくがっかりする。

期待値が高ければ高いほど、あとは下がっていくだけだからだ。

一流大学を出た、美人である、という「ハロー効果」が高い人は初めは有利だ。

しかし、大事なのはそれから後の話。

どんなに外見や肩書が立派でも、自分を磨き続けなければ中身はさびついてくる。

そして、前評判が高ければ高いほど、実態がそうでもないと分かったときとの落差は大きい。

凡人には凡人のメリットもある。

誰からも期待もされていないからこそ、コツコツと努力をすれば評価は上がる一方だ。

日々、自分を高める努力を続ける人でありたい。


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