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2015.1.24

見料は無料の芝居


松下幸之助氏の心に響く言葉より…

まあ、私は80年の歴史をもっていますが、私が今までやってきたなかで、いちばんむずかしい時代やなという感じがします。

少々不景気であるとか、少々困難であるとか、少々物騒な時代もありました。

その間(かん)三ベンも戦争がありました。

けども、いつの時代よりも今が一番むずかしい。

見た目にはいちばん物があって結構な状態ですが、その本質というものを探ってみると、非常にむずかしい状態ですな。

このむずかしい状態をほんとうに救うには、このむずかしい状態にふさわしい革新的な方法を考えないといかん。

かつてないほどむずかしい時代ですから、かつてないほど革新的な良案を生み出さないといかん。

そういうことを創造しないかぎりうまくいかないんやないか。

それが今、お互いの双肩にかかっている問題やないかという感じがするんです。

けれども、見方によれば、非常にいい時代に生まれあわせたともいえるんやないかと思います。

今、これはほんとうに生きた芝居ですよ。

歌舞伎やとか、そういう芝居を金を出して見て、「ああ面白いなあ、役者はうまいことやりよるなあ」と言うて、われわれは観賞しています。

しかし今、世界は、この世の中は、ほんとうに生きた芝居である。

そしてわれわれは俳優である、ほんとうの俳優である、主人公そのものである。

お互いが立役者になって、今そういう芝居をしていると思わないといかん。

そういう芝居をしている今日、自分というものを考えてみると、千載一遇の機会に生まれたのやと、こう思っていいと思うんですね。

かつてありえない人生に遭った。

お互いがそういう時世に遭ったということ、過去何千万、何億人のだれよりも恵まれた時代に生を得たことを喜んで、名優としての芝居をうたないといかん。

そういうような感じをもたないといかんということです。

しかもその芝居は、自分が芝居をすると同時に人が見ている。

また自分も見ている。

全部それは無料である、見料は要らないというようなことを考えてみますと、血沸き肉躍ると申してもいいような面白い時代に生まれあわせたと思うんです。

『人生と仕事について知っておいてほしいこと』PHP研究所


いつの時代であっても、今がいちばんむずかしい、と危機感を持つことにより、さまざまなアイデアが湧き出し、常に成長を目指すことができる。

しかし、同時に、今がいちばんおもしろい、と希望や夢を持つことにより、ワクワクと生きるのが楽しくなる。

我々は、選ばれて、この時代に、この日本に、自分という役を演じるための舞台を用意してもらった。

その舞台の演出、脚本、監督、そして主演は自分。

見料は無料。

周りの人は誰でも、他人の舞台を見ることができる。

また、自分も自分の舞台をながめることもできる。

役に没頭しているときは自分の舞台は見えないが、視点をふっと変えてみれば、演じている最中でも、客席から、舞台裏から、天上桟敷からも見ることができる。

一生に一度限りの自分の舞台。

おもしろおかしく演じてみたい。


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