2015.1.1 |
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初詣と祈り |
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志賀内泰弘氏の心に響く言葉より…
初詣(はつもうで)で、二礼二拍手一礼。
今年のお願いごとである。
まずは、健康第一。
つぎに仕事がうまく回りますように。
お金がたまりますように。
取引先とうまくいきますように。
おっと、家族もみんな健康でありますように。
それから…。
一度、顔を上げてからも「あっ」と思い出して、交通事故に遭いませんように…。
なかなか立ち去れないでいる。
あるとき、神社の方に諭されてドキッとした。
神社では願いごとをするのではなく、
「おかげさま」
と感謝するものだと。
人は欲を出して求めれば求めるほど、幸せは逃げていく。
今、今日この時に自分にあるものすべてに感謝していれば、自然に幸せはやってくるのだという。
たしかに、至言である。
早速、やってみる。
パンパンと柏手を打って、
「昨年はありがとうございました。おかげさまで家族全員健康で暮らせました」
なぜだか心地よく爽やかなのが不思議であった。
『元気がでてくる「いい話」』グラフ社
春日大社の元宮司、葉室頼昭氏はこう語る。
「お祭りというのは、神さまをお喜ばせするというのが本意です。
だから祝詞(のりと)でいい言葉をあげ、神楽(かぐら)を舞い、それで神さまを喜ばせる。
神楽とかはみんな神さまを喜ばせる行事ですからね。
だから祝詞のなかにも、若い巫女(みこ)が神楽を舞うのをご覧になってお喜びくださいと書いてある。
人間と同じことです。
日本の神さまは、西洋の神さまのような全てを超越した万能神ではない。
日本の神さまは人間と同じだから、お喜びにもなるし、お悲しみにもなるし、お怒りにもなる。
食事も召し上がるから神饌(しんせん)をお供えしているわけでしょう。
毎日、朝晩ご飯をお供えしております」 (“神道”のこころ)より
お神楽の舞は、神さまに喜んでもらうために舞う。
だから、すべては、参列者に見せるためではなく、神さまに向かって舞う。
人は、お願いばかりされていると嫌になる。
それは、自分の利益しか考えていない「ちょうだいの人」だからだ。
反対に、相手を喜ばせる人は「与える人」。
そして、「与える人」は感謝の多い人。
元日は、神社では「歳旦祭(さいたんさい)」というお祭りの日。
午前5時半から天皇陛下は四方拝を行われる。
四方拝とは、この新たな一年、日本に起こるすべての災いが、すべて私の体を通して過ぎ去ってくださいと祈るもの。
つまり、陛下がすべての困難や災いをお引き受けになるということ。
陛下の祈りは究極の祈り。
陛下の域には到底及ぶべくもないが、せめて…
「おかげさま」と、感謝することから始めたい。 |
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