2014.12.30 |
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お金儲けの考え方 |
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秩父札所十三番寺、南泉和尚氏の心に響く言葉より…
私は、慈眼寺の住職であり、秩父こども園の理事長でもあります。
ときには経営者としてお金のことを考えなくてはなりません。
以前の私はお金のやりとりをするのが少し苦手でした。
住職という役目もあるからかもしれませんが、お金をいただくことにどこか後ろめたさがありました。
なんとなく、自分が欲深く、金儲けに走っているように思えたのです。
そんな気持ちがふっと楽になったのは、マザー・テレサの話を聞いたときでした。
マザー・テレサは、皆さんがよくご存知のとおり、コルカタ(カルカッタ)の貧民街で、誰からも手を差しのべてもらえない人たちを受け入れ、献身的な奉仕を続けてきた素晴らしい女性です。
そのマザー・テレサが、いつもお金のことを考えていたというのです。
意外に思う人もいるかもしれません。
ですが、多くの人を救うためには、確かに多くのお金が必要です。
そのため、彼女はどうすればたくさんのお金を教会に集められるだろうか、と考えていたのだそうです。
この話を聞いて、「あぁ、お金のことを考えるのは悪いことではないんだ。必要なところに使えばいいんだな」と思えるようになりました。
道元禅師の教えに「知生産業固(もと)より布施に非ざること無し」という一説があります。
これは「政治も産業もみんな布施である」ということです。
この教えもまた、お金儲け自体が悪いことではなく、手に入れたお金をどう使うのかが大切だと説いてくれているように思います。
自分のためだけにお金を使おうと思うと、人は離れていきます。
反対に、ほかの人のために使おうとすると、人が集まってくるのです。
目的が明確なほど、それは顕著に表れるし、そのためにお金を扱うことも楽しい作業になるでしょう。
『ほとけ様に教わった 毎日をハッピーにする90の方法』ディスカヴァー
お金儲けの亡者になることは醜(みにく)いが、さりとて、お金やお金儲けを忌(い)み嫌うこともいいことではない。
お金を嫌えば、お金は汚いものという意識が心の奥底に深く刻まれてしまう。
政治でも、経済でも、会社でも、家庭でも、あと少しのお金があればなんとかなった、ということは多い。
特に、組織においては、その組織のリーダーやトップにある人のお金儲けが下手だと、その組織そのもの活動が低下してしまい、やがて最後には活動も停止してしまう。
お金儲けが下手な人の多くは、「お金は汚いもの」、「お金儲けは悪いこと」という気持ちが、潜在意識にインプットされていることが多い。
ほんとうは、どんなところでもお金は必要。
大事なことは、お金儲けは悪いことではなく、儲けたお金をどう使うか。
お金やお金儲けに対する意識を、よきイメージにしたい。 |
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