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2014.12.24

明るく軽く真剣に


ひすいこたろう氏の心に響く言葉より…

もしあなたが一夜にして1億円の借金を背負い、裁判に巻き込まれ、命まで狙われるようになったら平常心でいられますか?

実は、実際にそんな状況になっても、人生を楽しんでいた男がいます。

幕末の革命児、坂本龍馬です。

「これからは、カンパニーじゃあ!」と、意気揚々と貿易会社・海援隊を立ち上げた龍馬。

龍馬、当時32歳。

その最初の船出で、いろは丸は紀州和歌山藩の蒸気船・明光丸に衝突。

いろは丸に乗っていた海援隊は明光丸に乗り込み、命は助かったものの、いろは丸は沈没してしまうのです。

龍馬たちは明光丸の過失を主張。

しかし、相手は江戸幕府の徳川御三家、天下の紀州藩です。

一方、海援隊は、脱藩浪士たちの集まり、事実上、フリーターです(笑)。

王者・徳川御三家Vsチームフリーター。

これでは勝ち目はない。

泣き寝入りするしかありません。

しかし龍馬はあきらめなかった。

龍馬はなにをしたのか?

“sing a song”です!

船を沈没させられた賠償金を取るために作詞作曲で立ち向かったのです!!(笑)

「船を沈めたそのつぐないは 金をとらずに国をとる

♪〜はあ よさこい よさこい

♪〜国を取って ミカンを食らう

♪〜よさこい よさこい」

歌を作り、街でみんなにその歌を歌ってもらい、この事件に注目を集めて、紀州藩を逃げにくくさせたのです。

「そんなに逃げていると金を取らずに国ごと乗っ取って、和歌山のミカン食べちゃうぜよ、よさこい、よさこい」という歌です(笑)

さらに、龍馬は裁判を公平にさせるために幕府主導ではなく、「万国公法」という世界のルールブックを持ち出した。

事故から1ヵ月後、紀州藩は海援隊に賠償金8万3526両198文を支払うことで事件は決着。

いまの億単位に当たるお金です。

なんでこんなにお金を取れたかというと、いろは丸の積み荷にミニエー銃400挺を積んでいたと主張したからです。

しかし、現在までミニエー銃はおろかひとかけらの部品さえ見つかっていません(笑)。

大ピンチに歌うんです。

大ピンチに世界に視点を向けて、大芝居。

そして最後は、ハッタリをかます。

深刻になっていてはとてもできない。

眉間にシワが寄っていたのではとても浮かばない発想です。

龍馬が勝ち取った賠償金はその後、岩崎弥太郎が引き継ぎ、そこから三菱グループが生まれ、そのとき「キリンビール」も誕生しています。

だから、キリンビールのキャラクターのデザインは、頭は「龍」で、足は「馬」。

つまり、「龍馬」。

大ピンチを大チャンスに変えた「龍馬」へのリスペクトを込めてのデザインだそうです。

「なんでも思い切ってやってみろよ。

どっちに転んだって、人間、野辺の石ころと一緒。

最後は骨となって一生終えるのだから。

だから思い切ってやってみろよ」

これは龍馬が生前残した言葉ですが、この言葉どおり、龍馬は、どんな事態でも、深刻にならずに、人生を冒険として生き抜きました。

それができたのは、人間、最後は、野辺の石ころとなる身(いつか死ぬ身である)と、常にハートの真ん中に落とし込んでいたからです。

『あした死ぬかもよ?』ディスカヴァー


「真剣と深刻とは違う。悲劇の主人公のような生き方は真剣とは言わない。真剣というのは、もっと軽いものである。真剣になればなるほど軽くなれる。

『軽さ』の頭に『あ』をつければ『明るさ』になる。真剣な人は『明るい人』である。眉間(みけん)に皺(しわ)を寄せて深刻に生きている人は、実は一番真剣に生きていないのではないか」(行徳哲男・感奮語録)より

一般的に、何か事あったとき、明るくふるまっている人は、「軽い」と非難される。

額に眉をよせて深刻そうに考え込んでいるような人の方が、大方の受けはいい。

しかし、何かを本気で解決しようとしたら、それが難問であればあるほど、明るく、軽くなければ、物事は成就しない。

暗くて、重くて、固ければ、柔軟な発想は生まれないからだ。

深刻ではなく真剣に、そして、明るく軽く生きる人には限りない魅力がある。


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