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2014.11.16

怒りは二次感情


心理カウンセラー、衛藤信之氏の心に響く言葉より…

「つい人に腹を立ててしまう」という人がいます。

自分でわかっていても「つい」やってしまうことがたくさんありますね。

この「つい人に腹を立ててしまう」というのは、自分で自分の感情を止めることができないということです。

上司が何か言うとすぐカチンとくるとか、そのあとでケンカ腰になるとか。

これは心理的に言えば、「子どもっぽい」わけです。

たとえば幼稚園で子どもが仲よく遊んでいる姿を思い描いてください。

ケンちゃんが大事にしているオモチャをサトシくんに取られました。

すると、泣きながらケンちゃんはサトシくんを突き飛ばしました。

たとえば日曜日の平和な家庭。

大学生のタクヤくんは父親の車を借りて、彼女とドライブしようと思っています。

するとソファで新聞を読んでいた父親がひとこと。

「おいタクヤ、今日はお母さんと買い物に行くから、車は使うなよ」

「なんだよ、もっと早く言えよ」とタクヤくんは車のキーをテーブルに投げ出します。

たとえばテニスの試合。

勝利を予想されていたシンゴくんが、格下の相手に負けてしまいました。

ゲームセットの声と同時に、ラケットをコートに叩きつけるシンゴくん。

これらの例は、欲求不満がダイレクトに行動に出てしまったものです。

どれも子どもっぽくて攻撃的ですね。

「怒り」という感情は、心理学では「第二感情」に分類されます。

「びっくりした」とか「がっかりした」という「第一感情」に引き続いて起こってくるもので、何かが起こってすぐに湧いてくる感情ではありません。

前の例でいえば、何か期待していたことと違うことが起こり、その期待を裏切った人々に対して怒りが湧いてくる、という図式です。

ですから、「つい腹を立てる」ということでいえば、「腹が立つ」ことの前にあるびっくりした自分の感情を探さなければいけません。

そして、それを表現する。

「私はこんな期待をしていたのだ」「会えなくて寂しかった」と相手に正直に伝えましょう。

自分を出すと負けると思っている人に、私はいつもこう言います。

「あなたは幸せになりたいの?勝負に勝ちたいの?」

『(文庫)幸せの引き出しを開ける こころのエステ 夢をかなえるカギはあなたの中にある (サンマーク文庫)』サンマーク文庫


社会人になった自分の娘が遅くなって帰ってきたとき、父親が玄関で仁王(におう)立ちになり、「今までどこをほっつき歩いていたんだ!今、何時だと思っているんだ!門限は10時だぞ!」と怒鳴っているようなシーンがテレビでよくある。

怒りは二次感情だと言われる。

それは、なぜ怒鳴ってしまったかを冷静になってみて考えると、遅くなって、とても「心配だった」、「不安だった」という一次感情、つまり、怒りの奥にある感情、「本当の自分の気持ち」があるからだ。

昨今、公共の場で突如として、大声で怒鳴ったりキレてしまう人は多い。

人前で見境(みさかい)なくカッとなって怒鳴ったり怒ったりする人は、心理学でいうと感情の制御ができない「子ども」。

真の大人とは、自分の感情を制御できる人のことを言う。

怒り出しそうなときは…

「心配」、「不安」、「さびしさ」、「つらさ」、「悲しさ」、「期待はずれ」、「絶望」といった自分の一次感情を探る必要がある。

怒る前に、「一次感情は?」と自分に問いかけたい。


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