2014.11.9 |
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ニコニコになあれ |
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志賀内泰弘氏の心に響く言葉より…
豊田市の石川晴恵さんは、高校の養護教諭、つまり保健室の先生をしている。
ご自身も2歳の娘さんの子育て中で、忙しい毎日を送っている。
朝は時間との戦い。
ただでさえ時間がないのに、娘さんは朝食をゆっくりと遊びながら食べる。
「早く食べなさい」「早く靴をはきなさい」と言って、保育園に連れて行く。
特に1学期は学校でも定期健康診断があり、休日も仕事に追われて家事もおろそかになってしまった。
そんなある朝のこと。
「早く乗りなさい」と促して、保育園に行く車の中の出来事だった。
後部座席のチャイルドシートに座っていた娘さんが「お母ちゃん」と呼んだ。
「何?」と聞くと、「お母ちゃん、ニコニコしてよ」と言う。
さらに人さし指をくるくる回して「ニコニコになあれ、お母ちゃん」と。
保育園で覚えたのか、まるで魔法の呪文(じゅもん)のように唱えた。
忙しくて心がささくれ立っていた。
そのことを幼いながら感じとっていたのだと思うと、申し訳なくて泣けてきてしまった。
「ごめんね、お母ちゃんプンプンして」と言うと、もっと泣けてきた。
さらに「お母ちゃん泣いちゃだめ、ニコニコになあれ」と言う。
保健室で生徒たちと接するのに大切なのは、ゆとりを持った笑顔であることを忘れていた。
それを娘に教わった。
娘さんはご主人にも「お父ちゃん、ニコニコになあれ」と魔法をかけた。
疲れた顔がたちまち笑顔になった。
(石川晴恵さん)
『ようこそ感動指定席へ! 言えなかった「ありがとう」』ごま書房新社
いつも、「忙しい、忙しい」が口グセの人に、あまり魅力を感じる人はいない。
逆に、まわりから見ても超多忙なのに、ゆったりとして余裕すら感じさせる人は魅力的だ。
余裕がある人は、バタバタしないし、話し方もゆっくりとして、そして笑顔がある。
時間がなくてカリカリしたり、余裕がなく、自分のことで精いっぱいと言う人は、「他人が喜ぶことをすればいい」という。
自分のことだけに意識がいってしまって、まわりを見る余裕がなくなっているからだ。
まわりを明るくさせ、喜ばせるのは、「笑顔」。
忙しいときは、「ニコニコになあれ」と自分に魔法の呪文をかけたい。 |
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