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2014.9.30

500億円よりも価値のあるもの


西沢泰生氏の心に響く言葉より…

鳥取県に「野の花診療所」というホスピスケアの診療所があります。

この診療所の所長で、エッセイストでもある医師、徳永進さんがまだ勤務医の頃、不治の病にかかっている1人の患者さんにこんな質問をしたそうです。

「死ぬ前に何かしたい事はありますか?」

すると、聞かれた女性は、こう答えたというのです。

「道を歩いてみたい」

その患者さんはこう続けます。

「右に曲がると、スーパーがある。

いつもの買い物をして主人の酒のつまみを作る。

死ぬ前に、そんな、スーパーへ続くありふれた道をもう一度歩いてみたい」

何ということ事もない、何気ない日常が、命を支えている。

徳永さんは、患者の言葉で、その事に気が付いたと語っています。

目の見えないカップルは、いつもお互いの顔を触り合うそうです。

2人の夢は「一秒でもいいから相手の顔を見る事」。

ずっと耳が聞こえなかった29歳の女性が、人工内耳を付けて、生まれてはじめて人の声を聴く瞬間の映像を観た事があります。

医者が語りかける声を聴いた女性はボロボロと感激の涙を流し、号泣し続けていました。

ありふれた道を、普通に歩ける事。

恋人の顔を普通に見られる事。

好きな歌手の歌声を普通に聴ける事。

友達と笑いながら普通におしゃべりできる事。

普通。

普通。

普通。

それらのすべてが、実は奇跡なのですね。

時々、それを思い出すだけで、世界を見る目は必ず変わります。

『大切なことに気づかせてくれる33の物語と90の名言』かんき出版


セラピストのひすいこたろうさんは講演会でこう語っていました。

「500億円。

誰だって欲しいですよね、500億円。

でも、もし、こう言われたら、あなたはそれでも500億円を欲しがりますか?」

「目と耳と交換なら500億円あげる」

あなたも私も、なんと、「500億円よりも価値のあるもの」をすでに持っている。

(以上、同書より抜粋引用)

我々が普通にすごしている毎日。

病気や、事故や、天災に出会ったときに、初めてその当たり前の毎日がいかに有難かったかに気づく。

我々は、「500億円よりも価値のあるもの」をすでに持っている。

文句やグチを言いたくなることがあったら、この言葉を思い出したい。

当たり前で普通の日々をおくれることこそが奇跡。

どんなことにも感謝の気持ちを忘れない人でありたい。


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