2014.9.5 |
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一寸法師の法則 |
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社会教育家、田中真澄氏の心に響く言葉より…
私たち普通の人間は弱者である。
弱者が強者に勝つには、どうしたらいいのだろうか。
それを教えてくれるのが、あの有名な「一寸法師(いっすんぼうし)」のオトギ話である。
一寸法師は、力のない小さな弱者。
赤鬼はこわい大きな強者。
両者が対決すれば当然、赤鬼が勝つに決まっている。
ところが、あの話はそれが逆になっている。
どうして、弱者の一寸法師が強者の赤鬼を退治できたのか。
この理由を説明するには、次の実験をしてみることが一番だ。
家にある大きな金づちを持ってくる。
その金づちで足の裏をたたいてみる。
ちっとも痛くない。
むしろ気持ちがいいくらいだ。
次に小さな針を持ってきて、やはり足の裏を刺してみる。
今度はチクリと痛みを感じる。
この動作を続けられたら耐えられない。
それこそ逃げ出したくなるだろう。
もうおわかりだろう。
この実験は針の一刺し、すなわち一点集中の威力を物語っている。
小さな針の先はまさに一点。
その一点に、たとえ弱い力でも集中すると、赤鬼が飛びあがらんばかりの痛みが生ずる。
先が広い金づちではできないことである。
この一寸法師の教訓を、私たちの人生に生かしたい。
強い者の間に挟まれて生活しなければならない弱い人間は、まず、自分の得意とする分野に全力を集中して、その分野にしぼってがんばり通すことだ。
必ずそのうちに一点集中の効果が出てきて、弱者でも生きていける場が確保できるものだ。
『成功する考え方』こう書房
競争戦略のバイブルと呼ばれる「ランチェスター戦略」というものがある。
その中の中心となる弱者の戦略の一つが「差別化」、すなわち、とにかく一点にしぼり、そこに集中すること。
現代社会では、インターネットの発達により誰もが発信することができる。
つまり、かつてないほど簡単に、個人が独自のコンテンツを世に問うことが出来る時代になったということ。
弱者や凡人であっても、他にはない差別化された商品なり、ノウハウを持っていれば、発信の仕方によっては全世界であっという間に認められ売れるものが出て来た。
それは、ごくごくニッチな狭い市場であればあるほど、その威力は発揮される。
そのためには、広く浅くではなく、狭く深くという一点集中の一寸法師の法則が必要だ。
コツコツと自分の得意技を磨き、一点集中で生きていきたい。 |
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