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2014.8.27

瑣事(さじ)を愛する


川北義則氏の心に響く言葉より…

カミソリのように鋭い感性をもち、芸術至上主義者でもあった芥川龍之介が次のような言葉を残している。

「人生を幸福にするためには、日常の瑣事(さじ)を愛さなければならない」

人生とは瑣事の連続なのである。

瑣事は瑣事だから、いちいち気に止めないし、記憶にも残らない。

また一つ一つはむつかしくもない。

だが、そのような瑣事を愛し、きちんとこなしていくには、やはりそれなりの努力と才能がいるのである。

よく会社にこんな人物はいないだろうか。

地味で控え目で、とくにすぐれた才能の持主でもないのに、気がついてみたらけっこうな出世をしているような人である。

「なんであんな人が常務になるのか」

「きっとゴマスリがうまかったんだろう」

とんでもない見当ちがいだ。

そういう人は会社の瑣事の処理がうまいのである。

反対に社史に残るような大口の契約をとったような人間が、意外と冷や飯を食わされたりすることがある。

見かけは派手だが会社にとっては、瑣事をまちがいなく迅速に処理できる人間のほうが有益な場合も少なくないのである。

ここから一つの生き方が出てくる。

どう見ても自分が特別すぐれた能力の持ち主でないと思う人は、徹底して瑣事にかかわるのだ。

会社の仕事の90%は瑣事である。

その瑣事をこなせる人間は、派手な働きをする人間に劣らない有用な人材として評価される。

同時に瑣事をバカにしてはいけない。

瑣事は決して瑣事ではないからだ。

ときに歴史を変える大きなきっかけにもなる。

木下藤吉郎が主君信長に認められるきっかけは、例の草履を暖めたという瑣事からだ。

その藤吉郎が豊臣秀吉になってから重用した石田三成も瑣事処理の名人だった。

『逆転の人生法則』PHP


森信三先生は世俗的な雑事、雑務の処理の切り抜け方は、「スグサマ着手」、「即刻、処理」以外にない、と語っている。

世の中の瑣事(さじ)の処理は、意外に面倒くさいことばかり。

だからこそ、マメであることが必要だ。

「返事をする」、「礼状を書く」、「頼まれごとの処理」…

これらの処理が早ければ早いほど、信用され信頼される。

瑣事を愛する人でありたい。


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