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2014.8.9

ガッツポーズ


外山滋比古氏の心に響く言葉より…

試合で勝つと、とび上がって、ガッツポーズで喜びをあらわにする。

見ていてかわいいと思う人もあるが、なんとなく醜いと考える人がすくなくない。

ガッツポーズなんか少しも美しくない。

むしろ、あさましさを感ずるのがまっとうである。

日本の武道では、試合に勝ったものが大げさに勝ち誇るのをいけないとした。

勝っても負けても静かに一礼して去るのを美しいとした。

それはいまも変わらない。

それによって勝者は力を失うことがなくてすむのだから、勝者は感謝しなくてはならない。

大相撲で、優勝した力士はたいてい次の場所に不成績になるのである。

なぜか。

優勝して慢心、稽古をおそろかにしたりするからであるが、いちばんいけないのは、自分は強いのだという慢心だろう。

慢心を生ずると、つい威張りたくなるのが人情である。

威張ると、本人は気がつかないがたいへんなエネルギーを失う。

それだけ弱くなるから、次の試合には負けることになる。

第三者にとって、威張っているのが醜いものであるのは自然の摂理かもしれない。

それにひきかえ、負けた方は口惜しさをぐっとこらえて、精神を充実させることができる。

次には勝つ公算が大きくなる。

負けるが勝ちになる。

勝って得意にならないのは克己心が必要で、勝つことだけを考えて、練習をしているだけでは、そういう精神を養うことはできない。

さしずめ、心がけたいのは、勝っても、おごらず、誇らず、身を引きしめて、さらなる向上を目指すことである。

スポーツだけでなく、ひろく人生において、勝っても威張らない。

すこしくらい成功したからといって自慢しないように修養するのがのぞましい。

勝って勝ち誇り、威張るのは動物的である。

難しい試験に合格すれば、得意になるのが当たり前、単純な人間は威張るかもしれない。

試験はそうそうあるわけではないから、次に失敗することができない。

何十年も威張って生きていく人がたくさん生まれる。

停年でやめるころになると、かつて試験に落ち、労苦の多い人生を歩んできた人よりも虚(うつ)ろな人間になっていることがザラである。

『リンゴも人生もキズがあるほど甘くなる』幻冬舎


スポーツの試合では、勝った方がクローズアップされ、負けた方は話題にものぼらない。

しかし、甲子園で頂点に立つ高校の陰には、4000校にも及ぶ参加校がある。

そして、その4000校のチームには、さらに多くのレギュラーになれなかった選手たちがいる。

野球に限らず、ビジネスにしても、晴れがましい舞台でスポットライトを浴びる人たちの陰には、それを支える無数の人たちがいることを忘れてはいけない。

だからこそ、「負けたほうにこそ声援を」という優しい気持ちが必要だ。

学歴や資格も同じで、それを鼻にかけて威張るなら、人間のレベルとしては低級な鼻持ちならない人間になる。

武士道にある「惻隠(そくいん)の情」とは、弱者や敗者に対する涙を持つこと。

勝っておごらず、負けてくさらない人でありたい。


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