2014.8.6 |
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先繰り機転 |
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落語家、露の都さんの心に響く言葉より…
「女性落語家第一号」と名乗らせていただいています。
いまは上方だけでも十五人の女性落語家がいて、現在は上方落語協会の「上方笑女(しょうじょ)隊」の隊長も務めております(笑)。
修行時代、三年間は内弟子として一緒に暮らしていましたが、よく「うちではええけど、よそでやったらあかんで」と言われることがありました。
でも、それは「うちでもやったらあかんで」ということなんです。
それから「先繰(さきぐ)り機転(きてん)」ということもよく言われましたね。
「俺が考えていることを読めへんかったら、何百人のお客さんの前で喋(しゃべ)られへんで」と。
この教えがどれだけ大事か、自分が弟子をとるようになってよく分かります。
毎日一緒にいて怒られ教えられていく中で、師匠はこういう時、こうするんじゃないか、こうしてほしいんじゃないか、と見抜ける子は伸びるのが早いです。
逆に、見抜けない子というのは、結局全部自分の寸法でやってしまいます。
そうなると、高座に上がってもお客様の反応よりも、自分のやりたいようにやってしまうことになります。
師匠は絶対に意地悪で叱っているわけではないですから。
この子に必要だと思って教えていることを、分からないなりにも自分を殺して素直に聞ける子は、次第に先繰り機転も利くようになるし、伸びるのも早いと思います。
やはりそうやって弟子を指導するようになり、さらに師匠のありがたさを感じるようになりました。
師匠が前例を打ち破って女性の私を弟子にしてくださらなかったら、今日の私はないですから。
“女性落語家第一号。道なき道を切り拓いて”
『月刊致知 2014年9月号』致知出版社
人間関係やコミュニケーションで最も大事な事の一つが、相手の立場に立って考えることができる能力だ。
自分のことばかり考えている人、自己中心的な人は相手の気持ちがわからない。
機転が利く人はその場の空気が読める。
空気が読める人は、自分のことより先に相手のことを考えることが出来る。
身近な人の気持ちがわからなかったら、他の多くの人の気持ちなど分かるはずがない。
「先繰り機転」
人の気持ちがわかる、機転の利く人でありたい。 |
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